SHARE 石川素樹建築設計事務所による、東京・渋谷区の、専修学校・飲食店「桜丘町のビル」
石川素樹建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の、専修学校・飲食店「桜丘町のビル」です。
「桜丘町のビル」は、渋谷駅の喧騒からその先の閑静な住宅街を経て代官山に抜ける道の渋谷寄りの中腹にある。いわば緩衝帯のようなエリアであることから、シンプルなボリュームの構成をなるべく素のままに表現することがこの場所に適していると考えた。用途である教室に対する遮音性の確保や、周辺が一車線の道路や路地ということもあって大きい鉄骨を振り回すことが難しい状況をふまえてRC 造という結論に至った。
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以下、建築家によるテキストです。
「桜丘町のビル」は、渋谷駅の喧騒からその先の閑静な住宅街を経て代官山に抜ける道の渋谷寄りの中腹にある。いわば緩衝帯のようなエリアであることから、シンプルなボリュームの構成をなるべく素のままに表現することがこの場所に適していると考えた。用途である教室に対する遮音性の確保や、周辺が一車線の道路や路地ということもあって大きい鉄骨を振り回すことが難しい状況をふまえてRC 造という結論に至った。
面積に対して教室をレイアウトすると、当然矩形をフルに使える方が机などの配置の座りがよく、空間内に柱が出てこないように四本柱のラーメン構造とした。柱が過度に大きくならないようにかつそのサイズを各階統一させるために、下階に行くにつれ、コンクリートの設計基準強度を高めている。
(建築家著書「ELEMENTS 5つの建築 5つの断章」本文より)
■建築概要
設計:石川素樹建築設計事務所 石川素樹
構造:mono 森永信行
造園:zoen 蓑田真哉
家具:RILNO 田中智也
主要用途:専修学校、飲食店
所在地:東京都渋谷区
構造・構法:鉄筋コンクリート造
規模:地上9階
竣工:2018年2月
敷地面積:155.73㎡
建築面積:80.96㎡
延床面積:655.38㎡
写真:西川公朗
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ELEMENTS 5つの建築 5つの断章
建築を設計する際に考えるべき大事なことを
5つの建築の断片を通して、凝縮し、問いかける。一般の人にとっては、建築が作られる過程で設計者が何を考えているかを知ることができる本であり、学生や設計者にとっては、建築が時間を経てもなお色褪せずに建ち続けることができる方法を考え続けるための本である。
「iF DESIGN AWARD 2019」にて、最優秀のiF Gold Award受賞。
A’Design Award & Competition Gold Award、
DFA Design for Asia Awards Bronze Award、
日本建築学会作品選集新人賞、日本建築士会連合会賞など、受賞多数。国内外から注目を集める若手建築家の、書き下ろし初著書。
【目次】
1対話/ 中央の家
2観察/ 南荻窪の家
3全体/ 望月商店
4過程/ 桜丘町のビル
5細部/ 西参道テラス