SHARE 小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・江東区の飲食店「B squared」
小野寺匠吾建築設計事務所が設計した、東京・江東区の飲食店「B squared」です。
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東京都江東区深川の路面に位置するベーカリー・カフェ「B squared」の第1号店舗の設計である。
店舗サインのB2は、運営会社「Bread + Bean」の頭文字をとったものであり、「パンと豆」というシンプルなブランドアイデンティティをB squared(Bの2乗)として表現している。近年清澄白河や門前仲町の周辺エリアには焙煎設備を持ったカフェが増えてきているが、パン工場と焙煎設備の両方を備えたカフェはここが国内初であり、チャレンジングなプロジェクトとなった。
このチームには3人のプロフェッショナルがいる。パン職人、バリスタ、焙煎士である。ブランドの主役となるパンと豆(コーヒー)、そしてこれら専門分野に特化した職人たちの姿が生き生きと感じられるような店舗づくりを求められた。
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以下、建築家によるテキストです。
東京都江東区深川の路面に位置するベーカリー・カフェ「B squared」の第1号店舗の設計である。
店舗サインのB2は、運営会社「Bread + Bean」の頭文字をとったものであり、「パンと豆」というシンプルなブランドアイデンティティをB squared(Bの2乗)として表現している。近年清澄白河や門前仲町の周辺エリアには焙煎設備を持ったカフェが増えてきているが、パン工場と焙煎設備の両方を備えたカフェはここが国内初であり、チャレンジングなプロジェクトとなった。
このチームには3人のプロフェッショナルがいる。パン職人、バリスタ、焙煎士である。ブランドの主役となるパンと豆(コーヒー)、そしてこれら専門分野に特化した職人たちの姿が生き生きと感じられるような店舗づくりを求められた。
そこで私たちは、それぞれの職人たちが効率的な作業ができ、かつその作業姿自体が店内の雰囲気をつくり出すようなお店にすることがブランドアイデンティティを表現することにつながると考えた。店舗に入って見渡した時にそれぞれの専門家たちの職場が一目で見渡せる。職人の姿だけでなくエスプレッソマシン・グラインダー・焙煎機・コーヒー豆・パイローラー・オーブンなど、彼らプロフェッショナルのこだわりの道具たちが折り重なって見えることで、仕事に対する姿勢が見えてくる、そんなゾーニングを意識した。
そのためにまず、店舗の生命線となるパン工場を奥にまとめて配置し、パンの安定量産を確保できる快適な厨房空間を作ることを第一に考えた。焙煎機は、本体が高温になり一定の離隔距離をとらなければならない為、通常客席とは別エリアに配置することが多い。しかしここではあえて店舗中央に配置し、カウンターと一体となるよう配置した。そのためカフェカウンターは、中央に位置するアイランド型になっており、バリスタや焙煎士が作業をしながらも店内を見渡せる合理的な配置とした。
また、カフェの主役となるパンやコーヒーが美味しく見えることが最重要であるため、調光式のLED蛍光灯を採用し、暖色で統一した。ライン照明を客席から厨房の奥まで連続させることで奥行きを感じさせている。暖色で統一された暖かい空間が映えるよう、大きな面積を占めるカフェカウンターには無彩色の黒タイルを採用し、様々な反射が折り重なる効果を期待した。
客席、カウンター、厨房がすべて段差の無いフラットな床で、空間を分節することなくどこにいても同じ目線になるよう計画している。そうすることにより、専門家達が各々の仕事場で作業をしている空間内に客席が存在する構成となり、まるで工場内で淹れたてのコーヒーと焼きたてのパンを味わえる店舗となった。
熱いプロフェッショナルたちの個性が詰まった店舗となることを期待している。
■建築概要
名称:B squared
所在地:東京都江東区深川1-9-10 1F
計画面積:97.47㎡
用途:飲食店
設計:小野寺匠吾建築設計事務所
設計期間:2ヶ月
工事期間:3ヶ月
竣工:2020年3月
クライアント:株式会社 BREAD&BEAN
撮影:三嶋一路
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床(既存コンクリート) | |
内装・壁 | 壁 | |
内装・壁 | メニュー壁 | |
内装・天井 | 天井 | 既存のまま |
内装・キッチン | カフェカウンター | |
内装・造作家具 | カフェテーブル天板 |
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