SHARE ツバメアーキテクツらによる、東京・世田谷区の、小田急線の地下化に伴ってうまれた線路跡地に作られた公共的空間「下北線路街 空き地」の写真
ツバメアーキテクツのウェブサイトに、東京・世田谷区の、小田急線の地下化に伴ってうまれた線路跡地に作られた公共的空間「下北線路街 空き地」の写真が15枚掲載されています。施設の公式サイトはこちら。
触れる公共的空間
「下北線路街 空き地」は、小田急線「下北沢駅」の東側に出現した公共的空間である。
この「下北線路街 空き地」ではまず、青みがかったグレーのコンテナや土管、ステージなど用いて公共的空間が立ち上がる下地を作っている。その下地に人々が色付けし、自分たちの手垢を付けていく、そんなイメージで空間を構築した。例えば、地域住民がベンチや椅子に塗装で参加したり、地域から借りた植栽が混ざっていたりする。そして、イベントのプログラムも地域のプレーヤーを交え、企画などがなされている。
一般的な公園では、公によって提供されたスペースをどのようにトラブルを回避しながら活用していくか、という意味で「禁止事項」の側面が注目されがちだ。キャッチボール禁止・歌禁止・パフォーマンス禁止など様々なバツ印が付いているのも目にするようになってきた。そういった場所で過ごしていると、お行儀良くすることが公共だ、と刷り込まれているような気持ちにさえなってくる。
この場所では、逆向きのアプローチで、様々なレイヤーにおける実践の積み重ねによって住宅地の中に公共的空間を作ろうとしている。 なので随分と自由な場所となっている。
その場所を、ソフト的にもハード的にも“触れる”ようにすることが、自由さを伴う公共的空間の実装に今必要なのではないかと考えている。