SHARE 小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、上海当代芸術博物館での期間限定のカフェ「PSA×Blacksheep Pop-up Café」
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所が設計した、上海当代芸術博物館での期間限定のカフェ「PSA×Blacksheep Pop-up Café」です。2018年に設置された店舗です。
大きなルーフトップテラスに面した窓ガラスに、見る角度や光の角度によって色が変化し、さらに透過性も備えているタマムシフィルムを手でくしゃくしゃに揉んでから接着した。通常のフラットなフィルムよりも多角に曲がったフィルムからは、オープンしてから日没までの日光による色彩の変化、日が落ちてから室内の照明をつけてからの色彩の変化まで、時間経過と人の動きに合わせて刻々と変化する色彩のインパクトを作り出した。
また、既存の窓ガラスを支えている支柱を両側から鏡貼りにし合わせ鏡とすることで、切れ目の無いシームレスな大色彩空間を演出すると共に、窓際のスタンド席にインした際に視覚的反復の現象で遊びのある体験に一役買っている。
限られた材料で造作物のみを設計するのではなく、限られた材料に手間をかけて、1つでも多くの「現象」を副産物として生み出すという視点で設計をすることで、コスト制約の厳しいポップアップストアにおいても多様な体験を創り出すことができたのではないだろうか。
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以下、建築家によるテキストです。
上海発のコーヒー専門店ブラックシープの、上海当代芸術博物館(通称PSA)3ヶ月限定ポップアップショップ。
期間限定のポップアップストアは、突然お店が現れるというインパクトと、期間限定であるというイベント性の2つの特徴が売りの宣伝手法の為、今日のSNS社会と相性が良い近年人気の出展形態である。
一方、仮店舗で内装費には限りがあるため、多くのポップアップストアのデザインは、商品のイメージを直接的に「物質」で明快に表現し、単一な体験が多いのように感じている。
大きなルーフトップテラスに面した窓ガラスに、見る角度や光の角度によって色が変化し、さらに透過性も備えているタマムシフィルムを手でくしゃくしゃに揉んでから接着した。通常のフラットなフィルムよりも多角に曲がったフィルムからは、オープンしてから日没までの日光による色彩の変化、日が落ちてから室内の照明をつけてからの色彩の変化まで、時間経過と人の動きに合わせて刻々と変化する色彩のインパクトを作り出した。
また、既存の窓ガラスを支えている支柱を両側から鏡貼りにし合わせ鏡とすることで、切れ目の無いシームレスな大色彩空間を演出すると共に、窓際のスタンド席にインした際に視覚的反復の現象で遊びのある体験に一役買っている。
限られた材料で造作物のみを設計するのではなく、限られた材料に手間をかけて、1つでも多くの「現象」を副産物として生み出すという視点で設計をすることで、コスト制約の厳しいポップアップストアにおいても多様な体験を創り出すことができたのではないだろうか。
ミュージアムカフェという性質と、クライアントのコーヒー豆に対する情熱を受けて、お客様の手元に一番近い客席のテーブル上には、クライアントが厳選したケニア産コーヒー豆を樹脂に混ぜて、豆の粒子が鑑賞できる特注のテーブルクロスとして提案した。味覚だけではなく視覚でもコーヒーを味わえるように考えた。
■建築概要
建物名:PSA×Blacksheep Pop-up Café
設計チーム:小大建築設計事務所 kooo architects
竣工年:2018年5月
建築面積:140㎡
建設地:5F, Power Station of Art, Shanghai
デザインチーム:小嶋伸也,小嶋綾香,Lin Hongdi
写真:加納永一 , Wangxiaobao
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・建具 | 窓 | タマムシフィルム |
内装・造作家具 | テーブル | ラーチ合板 |
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