子浦 中 / シオ建築設計事務所が設計した、茨城の、ZOZOTOWNを運営するZOZO社の物流拠点の休憩ラウンジ「7 Gates Lounge」です。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの物流拠点の増床計画である。
発注者からは使いやすさ、拡張性、フレキシビリティを求められた。それらを担保するために大きなワンルームのラウンジを7つの部屋に区切り、壁に沿ってソファ席を作ることにした。ソファ席は、拡張性に優れている上に、レイアウトが乱れにくく整理整頓しやすいという利点がある。
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以下、建築家によるテキストです。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの物流拠点の増床計画である。
発注者からは使いやすさ、拡張性、フレキシビリティを求められた。それらを担保するために大きなワンルームのラウンジを7つの部屋に区切り、壁に沿ってソファ席を作ることにした。ソファ席は、拡張性に優れている上に、レイアウトが乱れにくく整理整頓しやすいという利点がある。
ラウンジは全長約70mで横長の珍しい平面形状をしている。この長さを活かした意匠にするため、ラウンジ間の開口はつくばの縄文遺跡の入口から着想したアーチ形状とし、各ラウンジの天井高に合わせてアーチの高さを決定した。各ラウンジは似た形状のため利用者が誰でも区別できるように、ZOZO社のロゴを使ったカラフルな壁を作り識別できるようにした。天井が高く明るいラウンジで気持ち良く休憩したいスタッフにはぴったりの場所である。たくさんのスタッフがロッカー室や倉庫へ行くための動線として高い視認性、床の高い耐久性が必要になる横長形状の通路を兼ねた休憩室は、つくばにあるワイナリー、ワインカーブのアーチ天井から着想しTunnel Caveという名前をつけた。ここは落ち着いて休憩したいスタッフ向きである。ここから各ラウンジにアクセスする場合、ラウンジの形状が似ているために迷いやすい。そのため、ラウンジの名前にもなっている壁の色を、Tunnel Caveからアクセスする腰壁にサインとしてつけることで利用者が迷いにくくなる。
これらのラウンジでは、働いているスタッフが、大きな窓のある本物の木の床、左官の壁のラウンジでゆっくりとくつろぐことができる。たくさんのスタッフが一度に働く大きな施設において、その個性と感性、使い勝手に応えるべく多様でフレキシブルな場所を設けた。「ZOZOBASE」の焼印入り椅子や「ZOZO」をかたどったフローリング、コーポレートロゴのカラーを用いた壁のあるラウンジで休憩時間をゆっくり過ごすことでZOZOグループの一員として一体感が得られ、同じグループ同士で働くスタッフ同士の連帯感を高めることのできる場所を作った。
■建築概要
所在地:茨城県
用途:休憩ラウンジ
規模:1380.6m2
設計監理:シオ建築設計事務所
照明設計:杉尾篤照明設計事務所
施工:西松建設
家具:インターオフィス
什器:クレド
植栽:solso
竣工:2019年9月
設計期間:2018年11月~2019年4月
工事期間:2019年5月~8月
撮影:淺川敏