SHARE 山路哲生建築設計事務所による、愛媛・松山市の、結婚式場チャペルの減築・改修「BAYSIDE GEIHINKAN」
山路哲生建築設計事務所が設計した、愛媛・松山市の、結婚式場チャペルの減築・改修「BAYSIDE GEIHINKAN」です。施設の公式サイトはこちら。
愛媛県松山市内にある、瀬戸内海を臨む結婚式場において、パラディオ様式のパラッツォ風チャペルを減築・改修するプロジェクトである。
日本における結婚式場は非日常感を最大化させるため、式場内部も欧州の文化を模倣した装飾を用いて閉じられた空間で演出することが主流となっていた。改修前のチャペルも同様の手法ではあったが、実際にその敷地を訪れると、閉じられた式場の外には内部の演出を大きく上回るほどの、雄大な瀬戸内海の景色が広がっていた。
そこで、本件では改修前の西洋風の意匠は控え、意匠の引き算をすることで、既存の建築と瀬戸内海という2つの異なる環境のポテンシャルを活かすことを心がけ、現代的な空間へと再構築した。
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以下、建築家によるテキストです。
愛媛県松山市内にある、瀬戸内海を臨む結婚式場において、パラディオ様式のパラッツォ風チャペルを減築・改修するプロジェクトである。
日本における結婚式場は非日常感を最大化させるため、式場内部も欧州の文化を模倣した装飾を用いて閉じられた空間で演出することが主流となっていた。改修前のチャペルも同様の手法ではあったが、実際にその敷地を訪れると、閉じられた式場の外には内部の演出を大きく上回るほどの、雄大な瀬戸内海の景色が広がっていた。
そこで、本件では改修前の西洋風の意匠は控え、意匠の引き算をすることで、既存の建築と瀬戸内海という2つの異なる環境のポテンシャルを活かすことを心がけ、現代的な空間へと再構築した。
まず、以前は外壁に面していなかった式場を外壁側へ移動させることで景色を取り込むことができるように再配置した。さらに、エントランス周りに立っていた既存のポーチコも除去し、瀬戸内の穏やかな景色が望める位置に、ガラスウォールの出窓空間(祭壇)を増築した。これにより、海の眺望をチャペルの内部に最大限取り込んでいる。また、式場の軸を少しだけズラし、参列者の席を非対称にした。
左右の壁も、参列者の視線を自然と海へと向けるようにデザインした。また、リノベーションによって追加した出窓や天井の形状、外部の植栽などによって、外の風景をフレーミングし、地元の人々にとっては見慣れたものである海を、祝祭空間を演出するものへと昇華させた。
この結婚式場は、地元の人々の利用が多い。環境が持っているポテンシャルに触れるきっかけを、デザインによって空間のなかに仕込むことで、このチャペルで挙式する二人はもちろんのこと、参列する人々も、自分たちが住んでいる土地の本当の素晴らしさに気付いてもらえるきっかけになればと願っている。
■建築概要
作品:「BAYSIDE GEIHINKAN」
所在地:愛媛県松山市
設計監理:山路哲生建築設計事務所 山路哲生、角田哲、渡邊寛介
構造設計:株式会社清水構造計画
施工:株式会社バウハウス丸栄
延床面積:169.78m2
竣工:2019年
撮影:長谷川健太
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床 | ES3314-45, VF-14037(川島織物セルコン) |
内装・壁 | 壁 | TH-8730(サンゲツ) |
内装・天井 | 天井 | TH-9414(サンゲツ) |
内装・家具 | 家具 | 特注製作品・ホワイトアッシュ板柾目艶消し仕上げ(AURA CREATE) |
内装・照明 | 照明(ブラケット) | 特注製作品(栄進物産) |
外構・床 | 床 | 既存石材 |
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