SHARE 田野宏昌+友藤桂子 / 田野建築設計室による、大阪・高槻市の住宅「高槻の家」
田野宏昌+友藤桂子 / 田野建築設計室が設計した、大阪・高槻市の住宅「高槻の家」です。
高台の住宅地に建つ木造住宅。敷地は擁壁の上にあり、北側に起伏のある公園、東側に大きな調整池を見下ろす場所にある。
周辺は60年代にニュータウンとして建てられ、塗壁の外観に出窓や袖壁などの設えをもった良質な住宅群で形成され、小さな前庭には植栽が育ち時間がもたらす豊かな街並みがうかがえた。外観はこの場所で生まれ育ったデザインを引き継ぐように、出窓や深い軒、色合いや塗壁といったデザインを参照している。
公園風景を中心に周辺環境とどのように向き合うかを検討するにあたり、窓について考えた。絶景となる対象のない住宅地において、窓によって排他的に切り取られた風景を愛でるのではなく、窓からの風景が日々変化するその場所の日常風景として室内に入り込むことで、その場所に暮らしていることに意識的になり、その場所に住むことへの愛着に繋がればと考えた。
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以下、建築家によるテキストです。
高台の住宅地に建つ木造住宅。敷地は擁壁の上にあり、北側に起伏のある公園、東側に大きな調整池を見下ろす場所にある。
周辺は60年代にニュータウンとして建てられ、塗壁の外観に出窓や袖壁などの設えをもった良質な住宅群で形成され、小さな前庭には植栽が育ち時間がもたらす豊かな街並みがうかがえた。
外観はこの場所で生まれ育ったデザインを引き継ぐように、出窓や深い軒、色合いや塗壁といったデザインを参照している。
公園風景を中心に周辺環境とどのように向き合うかを検討するにあたり、窓について考えた。絶景となる対象のない住宅地において、窓によって排他的に切り取られた風景を愛でるのではなく、窓からの風景が日々変化するその場所の日常風景として室内に入り込むことで、その場所に暮らしていることに意識的になり、その場所に住むことへの愛着に繋がればと考えた。
日々の暮らしを安息の場所とするため土間や階段室、カウンターなどの緩衝帯を挟んでほどよいプライバシーを担保しながら設えた窓は、室内から外へ特権的に開かないように、公園側からの見え方にも配慮して屋根架構やレースカーテン越しに気配だけを伝える窓を目指した。
二階は主室となる屋根架構現しの一室空間。斜めに振った軒の深い切妻屋根によって必然的に軒高さが異なり、隣家との高さ関係を調整している。公園と道路側には下屋根となるボリュームをL型にまわすことでハイサイド窓が生まれ、道路側をピロティにすることで視線の抜けをつくり、公園側への圧迫感を緩和させた。結果、大きな一室空間に動きが生まれ、奥行きのある窓を点在させることに繋がっている。
■建築概要
名称:高槻の家
敷地:大阪府高槻市
用途:住宅
規 模:木造2階
敷地面積:100.16㎡
建築面積:66.60㎡
延床面積:115.38㎡
設計監理:田野宏昌+友藤桂子 / 田野建築設計室
構造設計:下山聡 / 下山建築設計室
施工:コアー建築工房
竣工:2020年2月
写真:河田弘樹
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・壁 | 外壁1 | |
外装・壁 | 外壁2 | |
外装・壁 | 外壁3 | |
内装・床 | 床1 | |
内装・床 | 床2 | |
内装・壁 | 壁1 | |
内装・壁 | 壁2 | |
内装・柱 | 柱 | 広葉樹(高田製材所) |
内装・天井 | 天井 | ラワン合板 |
内装・建具 | 枠 | 広葉樹(高田製材所) |
内装・建具 | カーテン | |
内装・建具 | ブラインド1 | (ナニック) |
内装・建具 | ブラインド2 | (ニチベイ) |
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