SHARE 小林一行+樫村芙実 / テレインアーキテクツによる、ウガンダ・ナンサナの寄宿舎「AU dormitory」
小林一行+樫村芙実 / テレインアーキテクツが設計した、ウガンダ・ナンサナの寄宿舎「AU dormitory」です。
現地の建材として最も汎用性のある焼レンガは、特有のサイズや不均等な強度が扱いにくく感じられた。
しかし、現地の沼地でつくられる約100mm×110mm×200mmのレンガは一斤の小振りのパンのようなスケール感であり、一粒ごとに異なる粗いテクスチャー・色も相まって、それらが積まれて出来上がった壁は、触ってみたい/寄りかかりたい、と思わせる木の幹のような魅力を持っていた。一枚の壁が何かを分断するものとして存在するのではなく、約50名の学生が共同生活を送る空間を「つかず離れず」の状態でつくりだすような方法を探した。
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以下、建築家によるテキストです。
現地の建材として最も汎用性のある焼レンガは、特有のサイズや不均等な強度が扱いにくく感じられた。
しかし、現地の沼地でつくられる約100mm×110mm×200mmのレンガは一斤の小振りのパンのようなスケール感であり、一粒ごとに異なる粗いテクスチャー・色も相まって、それらが積まれて出来上がった壁は、触ってみたい/寄りかかりたい、と思わせる木の幹のような魅力を持っていた。
一枚の壁が何かを分断するものとして存在するのではなく、約50名の学生が共同生活を送る空間を「つかず離れず」の状態でつくりだすような方法を探した。
長方形の敷地に 3m, 4mの間隔で高さの異なるレンガ壁を破線上に建てている。男女各々の寮棟はある一定の距離を保つ必要があったため、水廻りを境界壁によって隠しながら、中庭を介して互いに向かい合っている。350mmの厚みをもつレンガ壁とそれが支える軽い屋根は、強い日差しや激しい雨から守るとともに、南北方向に吹く心地良い風を受け入れ、人々の視線や気配を共有する生活空間を担保している。
個室を持たない寄宿舎でありながら、バックグラウンドの違う学生たちが集まり、移動し、散らばり、群れ、離れる、といった連続する共同生活の様子が見え隠れし、適度な距離感を保ちながら常に誰かと空間を共有している。
■建築概要
敷地:ウガンダ・ナンサナ
用途:寄宿舎
竣工:2015年7月
面積:1,316㎡
設計協力:Plantek Limited
施工:Aswangah Construction Services
壁画:湊茉莉
写真:Timothy Latim
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | 亜鉛メッキ鉄板波板G28(UGANDA BAATI) |
外装・壁 | 外壁 | 焼成煉瓦 [敷地周辺で製作] |
外装・建具 | 開口部 | スチールサッシ [現場製作] |
内装・床 | 学生寮・学習室床 | モルタル金ゴテ仕上げ |
内装・床 | 事務室・宿直室床 | 煉瓦タイル |
内装・壁 | 壁 | 焼成煉 [敷地周辺で製作]+モルタル金鏝仕上げ |
内装・天井 | 天井 | 合板張りt=9mm |
内装・天井 | 学生寮・学習室1階天井 | コンクリート打放し |
外構・床 | 床 | プレキャストコンクリートタイル |
外構・植栽 | 植栽 | 芝生 |
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