杉下均建築工房が設計した、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」です。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成しています。施設の公式サイトはこちら。
元関市長で前衛美術家集団VAVA(*)創立メンバーの一人である後藤昭夫氏の作品を中心に企画展示する空間である。
米寿の個展を目前に急逝されるまで精力的に続けた作家活動と、VAVAの軌跡を発表し続ける場としてご家族が設立された。
展示空間は15m程の砂利敷の土間を進み、両袖をもつ展示部に向かう構成とした。
光を抑えた土間は横穴式石室の羨道のような場で、中央に杉箱を据えて後藤氏が生涯描き溜めたスケッチブックや、旅の写真帳を収めている。
展示部は自然光での鑑賞を主とするため、東庭からの反射光を室内に取り込むほか、南の窓からは直射光を抑えて拡散させるように衝立状の壁を配している。
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以下、建築家によるテキストです。
元関市長で前衛美術家集団VAVA(*)創立メンバーの一人である後藤昭夫氏の作品を中心に企画展示する空間である。
米寿の個展を目前に急逝されるまで精力的に続けた作家活動と、VAVAの軌跡を発表し続ける場としてご家族が設立された。
展示空間は15m程の砂利敷の土間を進み、両袖をもつ展示部に向かう構成とした。
光を抑えた土間は横穴式石室の羨道のような場で、中央に杉箱を据えて後藤氏が生涯描き溜めたスケッチブックや、旅の写真帳を収めている。
展示部は自然光での鑑賞を主とするため、東庭からの反射光を室内に取り込むほか、南の窓からは直射光を抑えて拡散させるように衝立状の壁を配している。
芸術館の一部は算盤教室にも使われており、子供たちが身近に芸術にふれる機会にもなっている。
故人の「各地域にギャラリーを設け、関市を文化都市にしたい」という思いのひとつが形になったのではと感じている。
(*)前衛美術家集団VAVAは、1959年、西尾一三を中心として、石原ミチオ、後藤昭夫、小本章ら岐阜県関市の芸術家10名が集まり、地方から芸術活動を発信しようと結成された。1964年ブラジル国立美術館でのグループ展や、1965年長良川アンデパンダン開催など60年代の活躍は目覚ましいものであった。
■建築概要
後藤昭夫藝術館
所在地:岐阜県関市円保通2丁目4番23号
敷地面積:900.11㎡
建築面積:311.31㎡
延床面積:297.29㎡
設計:杉下均、出口佳子 / 杉下均建築工房
施工:株式会社井上工務店 担当 改田和亮
竣工:2020年12月
写真:杉下均建築工房
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・壁 | 外壁 | ラスモルタル塗
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外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板 瓦棒葺き
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内装・床 | 前室・展示部・化粧室床 | 基礎コンクリート直均し
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内装・床 | 執務室・水屋床 | 杉板 t=30 ソープフィニッシュ(まるは油脂化学)
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内装・床 | 算盤室床 | 畳
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内装・壁 | 全室壁 | プラスター中塗り
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内装・天井 | 全室天井 | 小屋組現し
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