金井亮 / RaS DESIGN OFFICEが設計した、東京・中央区の「アリババ・ジャパン・オフィス」です。
社内外の会議と社内の執務の二つのエリアを作る計画です。デザイナーは、全体の一体感を求めて、セキュリティの異なる場をルーバー天井等の要素が越境する構成を考案しました。そして、内外を行き来しながら柔軟に働ける空間が意図されました。施主企業の公式サイトはこちら。
Alibaba Japanのオフィス増床に伴う内装設計。
オフィスビル27Fの増床エリアに対し「社内外会議エリア」と「社内執務エリア」の二つの空間を求められた。
コロナを経て、他者との協働やコミュニケーションがオフィスの価値になりつつあるなか、その主体となる社内外会議室をまずは優先的に眺望の良い窓面に配置し、ラウンジをコア側に、それらに隣接する形で社内執務エリアを設けた。
セキュリティにより分節された二つの空間を設計する際、それぞれを別空間として設計するのではなく、二つの空間を構成する要素が両空間をまたがったり、片方の構成要素が片方の別要素になったりと、両空間を分節しつつも一体的な空間となる方法を考えた。
具体的に言うと、会議エリア側のラウンジの天井・床は、そのまま執務エリア側の天井・床として、10mずつの合計20mの巨大なルーバー天井とフローリング床として両空間にまたがり形成している。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
Alibaba Japanのオフィス増床に伴う内装設計。
オフィスビル27Fの増床エリアに対し「社内外会議エリア」と「社内執務エリア」の二つの空間を求められた。
コロナを経て、他者との協働やコミュニケーションがオフィスの価値になりつつあるなか、その主体となる社内外会議室をまずは優先的に眺望の良い窓面に配置し、ラウンジをコア側に、それらに隣接する形で社内執務エリアを設けた。
セキュリティにより分節された二つの空間を設計する際、それぞれを別空間として設計するのではなく、二つの空間を構成する要素が両空間をまたがったり、片方の構成要素が片方の別要素になったりと、両空間を分節しつつも一体的な空間となる方法を考えた。
具体的に言うと、会議エリア側のラウンジの天井・床は、そのまま執務エリア側の天井・床として、10mずつの合計20mの巨大なルーバー天井とフローリング床として両空間にまたがり形成している。加えて、会議エリア側の会議室を構成する壁面は、動線を超えて延長し、両空間を分節するガラス間仕切のマリオンになりつつ、その壁面端部は執務エリア側にとっての鉛直照明となる。
これにより両空間の境界面の存在が弱まり、エリア全体が一体的に感じられるオフィス空間となった。併せて、会議エリアと執務エリアの空間的設えに差を作らず等価に扱い、どちらも気持ちの良い空間性になることを意識した。社外・社内を分け隔てなく、行き来しながら柔軟に働けるオフィス空間を目指した。
■建築概要
題名:アリババ・ジャパン・オフィス
所在地:東京都中央区京橋
主用途:オフィス
設計:金井亮 / RaS DESIGN OFFICE
施工:PLUG-IN
協力:FDS(照明計画) / interoffice(既製家具)
面積:466.39㎡
竣工:2021年10月
写真:矢野紀行