大野力 / sinatoが設計した、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」です。
約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場です。建築家は、“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置しました。そして、個人の自由と集団の生産性を両立する事が意図されました。
東京・汐留に建つ電通本社ビル内の2フロア、約2000人が働く電通デジタルのワークプレイス。
来客フロアでは、同ビルの特徴的な外壁形状を踏襲したガラスやスチールパイプによるパーテションを入れ子状に配置し、建築と一体となったシンボリックで大きな風景をつくりながら、分節感のある様々な居場所を設けた。それらは周囲に立つ壁の量や透明度によってスケールや見え隠れが異なり、社内外のコミュニケーションを混ぜながらシームレスに連続する環境を生み出している。
執務フロアでは、ワーカーの多様な動きを助長する道づくりに注力した。建築形状に呼応する様々な角度の道がフロア全体を繋ぎ、ワーカーはその時々のモードに合わせて最適な設えを選択しながら移動する。
また「ビレッジ」と呼ばれる「部署単位で長期間占有する拠点」を交通量の多くなる道の交差点に、「ハックルーム」と呼ばれる「プロジェクト単位で数日~数ヶ月の期間占有する拠点」を道の間の空地に複数配置した。これらの拠点は、その部署やプロジェクトに所属するメンバーしか使えず、「ここに居る必要はないがここに来ればチームと出会える可能性が高い」という場所で、ABWという働き方が当たり前となった同社において、ワーカー個人の自由度やフレキシビリティとチームの生産性や文脈共有を両立させる為の装置として機能している。
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以下、建築家によるテキストです。
東京・汐留に建つ電通本社ビル内の2フロア、約2000人が働く電通デジタルのワークプレイス。
来客フロアでは、同ビルの特徴的な外壁形状を踏襲したガラスやスチールパイプによるパーテションを入れ子状に配置し、建築と一体となったシンボリックで大きな風景をつくりながら、分節感のある様々な居場所を設けた。それらは周囲に立つ壁の量や透明度によってスケールや見え隠れが異なり、社内外のコミュニケーションを混ぜながらシームレスに連続する環境を生み出している。
執務フロアでは、ワーカーの多様な動きを助長する道づくりに注力した。建築形状に呼応する様々な角度の道がフロア全体を繋ぎ、ワーカーはその時々のモードに合わせて最適な設えを選択しながら移動する。
また「ビレッジ」と呼ばれる「部署単位で長期間占有する拠点」を交通量の多くなる道の交差点に、「ハックルーム」と呼ばれる「プロジェクト単位で数日~数ヶ月の期間占有する拠点」を道の間の空地に複数配置した。これらの拠点は、その部署やプロジェクトに所属するメンバーしか使えず、「ここに居る必要はないがここに来ればチームと出会える可能性が高い」という場所で、ABWという働き方が当たり前となった同社において、ワーカー個人の自由度やフレキシビリティとチームの生産性や文脈共有を両立させる為の装置として機能している。
大規模なワークプレイスでは、特定少数とも不特定多数とも異なる「特定多数のコモン」をどうバランスさせ、それぞれの場所を誰にどれくらい開き・閉じ・混ぜ・分けるかという操作が設計の肝となる。またそれは、組織のエコシステムやコミュニケーションの形そのものを提示することとほぼ同義なのではないかと感じている。
■建築概要
所在地:東京都港区
用途:事務所
工事種別:内装
施主:電通デジタル
照明設計:FDS
植栽設計:SOLSO
施工:大林組 / 船場
面積:3,695.9m²
竣工:2022年1月
撮影:太田拓実
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 内装・床 | 床 | OAフロア下地
複合フローリング貼り
タイルカーペット貼り
織物塩ビタイル貼り
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内装・床 | 床 | 木根太組
セラミックタイル貼り
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内装・壁 | 壁 | STパイプ メラミン焼き付け塗装
フロートガラス カラーグラデーションシート貼り(特注仕様)
枠:オーク無垢材
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内装・壁 | 壁 | LGS組みPB下地
特殊塗装
木毛セメント板AEP塗装
巾木:オーク突板練付合板
不燃木練付合板貼り
セラミックタイル貼り
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内装・天井 | 天井 | LGS組みPB下地
特殊塗装
木毛セメント板AEP塗装
AEP塗装
不燃木練付合板貼り
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内装・造作家具 | 什器 | オーク突板練付合板
人造大理石
モールテックス
STパイプ メラミン焼き付け塗装
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