堅田佳一 / KATATA YOSHIHITO DESIGNが設計した、東京・台東区の店舗「TOJIRO KNIFE GALLERY TOKYO」です。
包丁の“展示販売”と“修理”を行う店の計画です。デザイナーは、限られた面積内での用途の成立を目指し、圧迫感を軽減しつつ製品を豊富に陳列できる鉄格子を用いた展示壁を考案しました。また、工場で使われる素材の採用と色彩の統一で“雰囲気”の演出も意図されました。店舗の公式ページはこちら。
当店舗は、藤次郎の一貫生産によるものづくりを感じられる場所として、二つの目的を持つ空間を創りました。
メンテナンスルームでは、新潟県燕市にある藤次郎の本工場で使用されているメンテナンス機械一式を備え、包丁の研ぎ直しや修理を行うことで、ものづくりの醍醐味を感じる空間となっています。
ナイフギャラリーでは、省スペースを活かし、多くの包丁を展示できる壁面を最大限に活用しました。鉄骨組みによる強度を保ちつつ、包丁を整然と並べることで、展示会場のような見栄えのする空間を実現しました。
鉄フレームや木毛板、角波板など藤次郎の本工場に使われている素材を使用し、薄いグレーカラーで統一したことにより、工場の匂いを感じさせる一方で、クリーンでエッジの効いた雰囲気を演出しました。
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以下、デザイナーによるテキストです。
当店舗は、藤次郎の一貫生産によるものづくりを感じられる場所として、二つの目的を持つ空間を創りました。
メンテナンスルームでは、新潟県燕市にある藤次郎の本工場で使用されているメンテナンス機械一式を備え、包丁の研ぎ直しや修理を行うことで、ものづくりの醍醐味を感じる空間となっています。
ナイフギャラリーでは、省スペースを活かし、多くの包丁を展示できる壁面を最大限に活用しました。鉄骨組みによる強度を保ちつつ、包丁を整然と並べることで、展示会場のような見栄えのする空間を実現しました。
鉄フレームや木毛板、角波板など藤次郎の本工場に使われている素材を使用し、薄いグレーカラーで統一したことにより、工場の匂いを感じさせる一方で、クリーンでエッジの効いた雰囲気を演出しました。
課題解決:非常に狭い空間であること
10坪の空間の中に、ナイフギャラリーとメンテナンスルームを作らなくてはいけない問題があった。
メンテナンスルームには包丁を研ぎ直しや修理などを行う機械を入れなくてはならず、同時に藤次郎の特徴でもある包丁の豊富なランナップを展示しつつ、来ていただくお客様に十分なスペースを確保しなければならず、少しでも広く感じてもらうために、壁を極力まで薄く仕上げ、鉄格子により強度を確保しつつ包丁展示スペースを確保した。
鉄格子は天井にも張り巡らされており、スケルトンな状態で狭い空間ではあるが天井の高さも取れており、圧迫感のない仕上がりにしている。
課題解決:窓がなく、コンクリートで囲まれた空間であること
日本の気候は寒暖差が大きく、湿度も高いためコンクリート打ちっぱなしの内装空間は問題が多くあった。
また包丁という商品の特性上、水気は禁物である。また、メンテナンスルームには水を使うスペースがあり、また修理中に音が出る工程がある。これらを考えたときに最適な素材は何か?ということで藤次郎の工場で使われてる素材を積極的に使い諸問題の解決を図った。
■建築概要
題名:TOJIRO KNIFE GALLERY TOKYO
所在地:東京都台東区西浅草2丁目20-5 Grande Maison 浅草合羽橋
主用途:包丁販売・メンテナンス
設計:KATATA YOSHIHITO DESIGN
施工:株式会社住江工芸
家具:株式会社住江工芸
構造:RC造
階数:地上1階
敷地面積:29.5m2
設計:2022年9月~2022年12月
工事:2022年12月~2023年2月
竣工:2023年2月
写真:井上昌明 / Masaaki Inoue