SHARE 安藤祐介建築空間研究所による、東京の「エクスドリーム不動産サテライトオフィス神田錦町」。新築テナントビル内に計画。地域の歴史と“若く前向きな”社風の表現を求め、伝統的な内装要素を“現代的な素材とディティール”で再解釈する設計を志向。エキスパンドメタルとリブパネルを主要素材とし空間を構築
安藤祐介建築空間研究所が設計した、東京・千代田区の「エクスドリーム不動産サテライトオフィス神田錦町」です。
新築テナントビル内に計画されました。建築家は、地域の歴史と“若く前向きな”社風の表現を求め、伝統的な内装要素を“現代的な素材とディティール”で再解釈する設計を志向しました。エキスパンドメタルとリブパネルを主要素材とし空間を構築しました。
神保町で不動産・ディベロッパー業を営む企業が新築した10階建てテナントビル内の2階と3階に、同社のサテライトオフィスを設計した。
神田錦町の歴史ある土地柄と、同社の若く前向きな社風をデザインに取り込むことを考え、クラシックな内装の要素を現代的なマテリアルとディティールで再解釈することを試みた。
エキスパンドメタルとリブパネルをキーマテリアルとし、椅子を除くほぼすべての什器を造作で計画することとした。
古典建築の折り上げ天井意匠から着想を得た吊り装飾やシャンデリア、ペンダントライトをスチールフラットバーやエキスパンドメタル等を用いデザインし、格式高さと軽やかさを両立させることを目指した。EVホールの腰壁や収納の扉、什器の土台はリブパネルで覆うことで部屋をまたいでも空間に統一感を持たせている。
照明計画では、エキスパンドメタルの様々な表情を引き出すことを意図した。執務室の個人ブースでは、壁面からの間接光をアールの付いたエキスパンドメタル越しに室内へ取り込んでいる。デスク天板の奥には作業スペースを狭めないよう斜めに立て掛けたエキスパンドメタル越しに間接照明をとり、手元を柔らかく照らすようにした。また会議室では壁面の腰高収納にアップライトを仕込み、列柱廊をイメージしたエキスパンドメタルのついたてに陰影をつけている。
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以下、建築家によるテキストです。
神保町で不動産・ディベロッパー業を営む企業が新築した10階建てテナントビル内の2階と3階に、同社のサテライトオフィスを設計した。
神田錦町の歴史ある土地柄と、同社の若く前向きな社風をデザインに取り込むことを考え、クラシックな内装の要素を現代的なマテリアルとディティールで再解釈することを試みた。
エキスパンドメタルとリブパネルをキーマテリアルとし、椅子を除くほぼすべての什器を造作で計画することとした。
古典建築の折り上げ天井意匠から着想を得た吊り装飾やシャンデリア、ペンダントライトをスチールフラットバーやエキスパンドメタル等を用いデザインし、格式高さと軽やかさを両立させることを目指した。EVホールの腰壁や収納の扉、什器の土台はリブパネルで覆うことで部屋をまたいでも空間に統一感を持たせている。
照明計画では、エキスパンドメタルの様々な表情を引き出すことを意図した。執務室の個人ブースでは、壁面からの間接光をアールの付いたエキスパンドメタル越しに室内へ取り込んでいる。デスク天板の奥には作業スペースを狭めないよう斜めに立て掛けたエキスパンドメタル越しに間接照明をとり、手元を柔らかく照らすようにした。また会議室では壁面の腰高収納にアップライトを仕込み、列柱廊をイメージしたエキスパンドメタルのついたてに陰影をつけている。
歴史を重んじながらも新しい世代に向けて街を作っていく仕事の姿勢を、オフィスでも体現させたいと考えた。
■建築概要
題名:エクスドリーム不動産サテライトオフィス神田錦町
所在地:東京都千代田区神田錦町
主用途:事務所
設計:安藤祐介建築空間研究所
担当:安藤祐介、森梢
施工:西安建設株式会社
照明計画:U Lighting Office、宮地電機株式会社
工事範囲:2階・3階部分内装
延床面積:147.12㎡
設計:2021年8月~2022年3月
工事:2022年11月~2023年1月
竣工:2023年3月
写真:小島純司、安藤祐介建築空間研究所
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床 | 床タイル:ネクストワン594 グレー TL81391(SANWA CAMPANY) |
内装・壁 | 壁 | |
内装・建具 | 腰壁リブ材・家具扉材 | 半円25(サカイリブ) |
内装・造作建具 | 造作家具 | エキスパンドメタル |
内装・照明 | 照明 | |
内装・その他 | スイッチ・コンセント |
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Exdream Real Estate Satellite Office in Kanda Nishikicho
We designed a satellite office for a real estate developer company on the 2nd and 3rd floor of a newly constructed 10-story tenant building.
The idea was to incorporate the historic character of Kanda Nishikicho and the company’s young, forward-looking corporate culture into the design, reinterpreting classic interior elements with modern materials and details.
Expanded metal and half-circle rib panels were used as key materials, and almost all furniture, apart from chairs, were planned to be custom-made. The design of the hanging decorations, chandeliers, and pendant lights, inspired by the coved ceiling design of classical architecture, were created using steel flat bars and expanded metals to achieve both a sense of prestige and a sense of lightness. The wainscot of the EV hall, shelf doors, and furniture bases are covered with ribbed panels to create a sense of unity across the rooms.
In the lighting scheme, the mesh of expanded metal is shaded, and indirect lighting is reached through the mesh to create various expressions of the expanded metal. For the individual booths in the office, indirect light illuminating the wall surface is brought into the room through the radius shaped expanded metal. Indirect lighting is placed behind the desktop through the expanded metal, which is set at an angle to softly illuminate the desk without narrowing the workspace. In the conference room, up-lights are placed in the waist-high storage space on the wall, shading the expanded metal partitions intended to create a colonnade.
The office also embodies the work attitude of building a city for a new generation while respecting its history.