アリソン理恵 / ARAと岡野愛結美 / KONTEが設計した、東京・目黒区の店舗「ムーンスター自由が丘」です。
WSや展示なども行う靴メーカーの直営店の計画です。建築家は、“物の背景への想像力”を取戻すような存在を目指し、施主企業の技術も使って制作した什器や照明で構成する空間を考案しました。また、建具と什器に可動性を与えて“柔軟な”平面も意図されました。店舗の公式ページはこちら。
一足の靴を作るためにも、実は多様な職能や素材、知恵や様々な手仕事の積み重ねが必要である。私たちが日頃思考停止しつつある、ものの背景、作り方への想像力を少しだけ取り戻すことのできるような店舗デザインを目指した。
靴の什器や照明は、ムーンスターの久留米工場、生産技術部、技術開発部と東京の工務店・デザイナーとの協働によって、様々なゴムの特性を用いて作成した。
また、ムーンスターの店舗では、靴の販売だけではなく靴づくりと関連したワークショップや、絵画、写真などの展示などの企画が行われる。こういった不定期の、文化を醸造していく活動を継続できるよう、可動の什器と建具によるフレキシブルな平面計画とした。
奥の庭まで視線の抜ける開放的な店舗を大きく4つに仕切る木製建具には、靴のキャンバス生地を用いた。この建具には可動棚や鏡を取り付けることも可能で、シーズンやイベントに合わせた空間の使い方を可能にしている。
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以下、建築家によるテキストです。
創業150年を迎える久留米に本拠地を置く靴メーカー、ムーンスターの直営店。
ムーンスターは子どもたちの上履きや、厨房靴、ウォーキングシューズからデザイン性の高い靴まで、人々のニーズに合わせ様々な靴を作ってきた。久留米の工場は靴づくりにまつわるゴムやキャンバス、革などといった素材加工から、スチール、アルミ、鋳物などの加工まで幅広く対応しており、自分たちで手を動かしものづくりをしていく体制が整っていた。
一足の靴を作るためにも、実は多様な職能や素材、知恵や様々な手仕事の積み重ねが必要である。私たちが日頃思考停止しつつある、ものの背景、作り方への想像力を少しだけ取り戻すことのできるような店舗デザインを目指した。
また、ムーンスターの店舗では、靴の販売だけではなく靴づくりと関連したワークショップや、絵画、写真などの展示などの企画が行われる。こういった不定期の、文化を醸造していく活動を継続できるよう、可動の什器と建具によるフレキシブルな平面計画とした。
奥の庭まで視線の抜ける開放的な店舗を大きく4つに仕切る木製建具には、靴のキャンバス生地を用いた。この建具には可動棚や鏡を取り付けることも可能で、シーズンやイベントに合わせた空間の使い方を可能にしている。
靴の什器や照明は、ムーンスターの久留米工場、生産技術部、技術開発部と東京の工務店・デザイナーとの協働によって、様々なゴムの特性を用いて作成した。
“人、地域、文化のつながりの中で生きるコミュニティブランド”を目指すムーンスターの店舗として、靴を通して人やスキル、知恵の交流を生む、下地としての建設行為と店舗空間を提示した。
■建築概要
題名:ムーンスター自由が丘
所在地:東京都目黒区
主用途:店舗
設計:ara+KONTE 担当/アリソン理恵、岡野愛結美
施工:マリ・アート 担当/吉田有志
照明設計:sola associates+glow 担当/川村和広、金子綾子、下山竹男、石川清薫
什器制作:マリ・アート、ムーンスター久留米工場
ディレクション:FRONTAGE INC. 担当/淺井勇樹
延床面積:146.39㎡
設計:2022年2月~2022年6月
工事:2022年6月~2022年8月
竣工:2022年8月
写真:栗田萌瑛
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 内装・床 | 床 | モルタル+ファイバーシート+アクアカラー塗布(アシュフォードジャパン)
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内装・造作家具 | 箱什器A | シナ合板+ゴム脚
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内装・造作家具 | 箱什器B | スチールアングル+ゴム脚
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内装・造作家具 | ベンチA | 杉無垢材OSUC+RC脚
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内装・建具 | 建具 | アイユース枠+キャンバス張り
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