SHARE 吉岡徳仁ディレクション”セカンド・ネイチャー”展
吉岡徳仁による新作、”ヴィーナス – 結晶の椅子”の制作プロセス
吉岡徳仁がディレクションする展覧会”セカンド・ネイチャー”が21_21 DESIGN SIGHTで行われる。
開催期間は、2008年10月17日(金)~2009年1月18日(日)(※詳しくはページの一番下に掲載)
この展覧会では、吉岡徳仁を含めた国内外8 組のクリエイターによる作品と五感に響く空間によって、「デザインの未来」に向けた実験的な提案が行われる。
吉岡徳仁、”ヴィーナス – 結晶の椅子”のディテール
吉岡徳仁、本展のための空間インスタレーションのイメージCG
以下、ディレクターを務める吉岡徳仁による記述です。
セカンド・ネイチャー
―記憶から生み出される第2の自然、デザインの未来を考える
「自然」は、私たちの想像を超える美しさを見せてくれる反面、時に恐ろしいほどの力強さを秘めています。同じものは二つとなく、二度と再現できない自然の姿は、それだけに神秘的な美を備え、我々を魅了します。
デザインとは、かたちを得ることで完成されるものではなく、人の「心」によって完成するものではないかと考えています。また、自然や生物の原理やその働きを発想に取り組むことが、デザインの今後において大切なものとなっていくのではと感じています。
私は周囲の自然に深く関心を抱くと同時に、欲望から次々とものがつくられ、消費されていく今日の状況に疑問をもち始めました。そうではない、ものづくりの方法があるのではないか、と思い始めました。
同時に、私の空間インスタレーションを目にした人々が、各自が体験してきた自然現象に重ねあわせるようにしながら、その空間について語ってくれるのを不思議に感じていました。私のものづくりは、子どもの頃に体験し、心に焼きつけられた記憶のなかから、未来を創造することなのかもしれません。
では、人々の体験に喚起される自然の姿とは一体どのようなものなのでしょうか。
そのことを多くの方々と考えていくために、本展では、異才を放つデザイナーやアーティスト7組に参加してもらいました。作品はそれぞれに自然や生命の神秘的な力を伝えるものです。
ある作品は氷の内に封じられた植物が生命力の強さを改めて伝え、ある作品は液体という素材がそのまま変容するかのようにして、未知なる構造を生み出していきます。人を取り囲んできた原初的な風景を想像させる造形があれば、予期せず生じる形をあえて取り入れた造形もあります。そのうえで、それ自体が自然現象のような会場インスタレーションよって、未来を考える際のひとつの「ものづくりのヴィジョン」を示せないかと考えました。
ひとりひとりの記憶の奥に存在する「自然」から湧きでるように生まれる想像力と、テクノロジーや生命力とが融合することによって生みだされるデザインの未来。
改めて地球に問いかけることで生まれる、未来に向けた発想。それが、私の考える「セカンド・ネイチャー」なのです。(本展ディレクター 吉岡徳仁)
□参加アーティスト
安部典子(アーティスト)
東 信(フラワーアーティスト)
カンパナ・ブラザーズ(デザイナー)
片桐飛鳥(写真家)
ロス・ラブグローブ(デザイナー)
森山開次(ダンサー/振付家)×串田壮士(映像作家)
中川幸夫(いけ花作家)
吉岡徳仁(デザイナー)
□展覧会概要
セカンド・ネイチャー
会期:2008 年10 月17 日(金)~2009 年1 月18 日(日)
休館日:火曜日(12 月23 日、1 月6 日は開館)、12 月27 日から1 月2 日
開館時間:11:00~20:00(入場は19:30 まで)
入場料(税込):一般1,000 円、大学生800 円、中高生500 円、小学生以下無料
※15 名以上は各料金から200 円割引
会場:21_21 DESIGN SIGHT www.2121designsight.jp
〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内 TEL. 03-3475-2121
アクセス:都営地下鉄大江戸線/六本木駅・東京ミッドタウン直結出口から徒歩1分、
東京メトロ日比谷線/六本木駅・6出口、東京メトロ千代田線/乃木坂駅・3出口から徒歩5 分