SHARE 須永豪/survival designによる”杉シェルター”
須永豪/survival designが設計した千葉県の住宅”杉シェルター”です。
この住宅は、軸組木版造という特別な工法で建てられています。(※詳しくはページ下部のテキストや須永のサイトでどうぞ)建築家の須永は、この軸組木版造がよりオープンな技術になるように自身のウェブサイトで竣工図面・工事写真を公開・販売している。これは、建築家の提案を社会に還元する非常に興味深い試みだと言える。
以下、建築家によるテキストです。
やわらかな殻
建物は殻だ。確かな躯体ととりあえずの設 備さえあれば人は住 める。あとは好きなように使ったらいい。間取りのような躯体 が 大雑把にあって、それが「いいジャングル ジム」になっていたら最高だ。この家では、ひとつの箱の中で出 来事は同時に多発し、またそれを眺めている視点もある。それはカフェやインターネットなど「ひとりと全体が同時に存在している世界観」と似ている。
建築は箱型なら,棒で箱を組むのではなく、 箱らしく版でバンバンといきたい。 この「軸組木版造(じくぐみもくばんぞう)」は、普通の大工さんが 直感的につくれるように在来の軸組工法を ベースにしてあるが、組み上がってみると木壁の構造となる。ツギハギだらけの木造在来工法は一度もうリセットしたい。
この軸組木版造は災害後の復興住宅や規格住宅などの大量供給にも向いていそうだ。広く普及すれば結果的に日本の山のためにもなるだろう。
これからうまく発展させていってくれる人々ともぜひ出会っていきたいと思い、竣工図面をサバイバルデザインのサイトで公にしていくことにした。
http://www.sunaga.org/works/sugishelter.htm