SHARE 荒尾宗平 / SIDES COREによる、奈良市の店舗「GIGI VERDE Nara」。イベントでのフラワーアレンジも行う生花店。小売・アトリエ・打合せの場を共存させる為に、床の“隆起”で用途に応えると共にスペースを緩やかに分節もする計画を考案。滑らかなカーブは周辺の“地形”もイメージ
荒尾宗平 / SIDES COREが設計した、奈良市の店舗「GIGI VERDE Nara」です。
イベントでのフラワーアレンジも行う生花店です。デザイナーは、小売・アトリエ・打合せの場を共存させる為に、床の“隆起”で用途に応えると共にスペースを緩やかに分節もする計画を考案しました。また、滑らかなカーブは周辺の“地形”もイメージされました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
GIGI VERDEはパーティーやイベント空間のフラワーアレンジ、店頭での小売も行うフラワーショップである。
新たな拠点となる13坪の奈良店では、小さな空間の中でも小売とイベントの装花製作を行うアトリエ機能の両立、ブライダル装花の打ち合わせが落ち着いてできるスペースの実現が課題であった。
全ての課題を成立させるため、入り口からメインカウンター、スキップフロアへと床素材がシームレスに隆起する計画とした。
ソイルカラーの左官材で仕上げ、奈良の盆地や山々といった地形をイメージした滑らかなカーブは自然な花の色や形を際立たせる背景となる。
ワークエリアは複数のフローリストが多くの装花を十分製作できる広さを持ち、h950mmのカウンタートップの内側やフロア下の空間は大きな収納庫を兼ねている。
上段に設けた打ち合わせスペースはレベル差と花が緩やかな心理的境界となり落ち着いた利用が可能、店舗奥で柔らかい光を放つペンダント照明は視線を導き空間の奥行きと高さを感じさせる。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、デザイナーによるテキストです。
地形のように隆起するスキップフロア
GIGI VERDEはパーティーやイベント空間のフラワーアレンジ、店頭での小売も行うフラワーショップである。
新たな拠点となる13坪の奈良店では、小さな空間の中でも小売とイベントの装花製作を行うアトリエ機能の両立、ブライダル装花の打ち合わせが落ち着いてできるスペースの実現が課題であった。
全ての課題を成立させるため、入り口からメインカウンター、スキップフロアへと床素材がシームレスに隆起する計画とした。
ソイルカラーの左官材で仕上げ、奈良の盆地や山々といった地形をイメージした滑らかなカーブは自然な花の色や形を際立たせる背景となる。
ワークエリアは複数のフローリストが多くの装花を十分製作できる広さを持ち、h950mmのカウンタートップの内側やフロア下の空間は大きな収納庫を兼ねている。
上段に設けた打ち合わせスペースはレベル差と花が緩やかな心理的境界となり落ち着いた利用が可能、店舗奥で柔らかい光を放つペンダント照明は視線を導き空間の奥行きと高さを感じさせる。
カーブを伴った階段状の立体的なディスプレイは花の在庫量の変化にも柔軟に対応ができるお店のアイキャッチとなり、フローリストが製作するプロセスが外部からも感じられるオープンなアトリエ兼フラワーショップとなった。
■建築概要
名称:GIGI VERDE Nara
用途:flower shop
住所:奈良県奈良市油阪町421 1F
空間デザイン:荒尾宗平 / SIDES CORE
照明設計:大光電機株式会社 DAIKO 担当/川上靖代
施工:有限会社THE
面積:43㎡
デザイン期間:2024年5月7日~2024年6月27日
工事期間:2024年7月15日~2024年8月6日
オープン:2024年9月1日
写真:大竹央祐
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床1[メインフロア] | 土間コンクリート下地 ルミデコールSOLID 金鏝押さえ 艶消しトップコート塗装仕上げ(四国化成) |
内装・床 | 床2[カウンター+スキップフロア部+階段状立ち上げ部] | 構造用合板下地 ルミデコールSOLID 金鏝押さえ 艶消しトップコート塗装仕上げ(四国化成) |
内装・壁 | 新規壁 | ルミデコールSOLID 金鏝押さえ 艶消しトップコート塗装仕上げ(四国化成) |
内装・造作家具 | 造作家具 | 構造用合板下地 ルミデコールSOLID 金鏝押さえ 艶消しトップコート塗装仕上げ(四国化成) |
内装・造作家具 | カウンター内部 | ラワン合板貼り オスモカラーウッドワックス塗装仕上げ(OSMO) |
内装・造作家具 | 階段 | 檜無垢材集成階段 STEPS 奈良県檜材 |
内装・造作家具 | 手すり | スチールパイプ焼き付け塗装 |
内装・建具 | 建具 | 既存スチールサッシ |
内装・家具 | チェア | ATELIER CHAIR(Artek) |
内装・家具 | テーブル | 90B(Artek) |
内装・照明 | ペンダント照明 | |
内装・照明 | 照明 | 機能照明スポットライト等(DAIKO) |
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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません
A mezzanine floor elevated like a landscape.
Gigi Verde is a flower shop that creates flower arrangements for party and event spaces, as well as retailing flowers in the store.
With only 43m2 of space, the challenge for the new branch in Nara was to combine retailing with a studio area for making floral decorations for events, while also providing a relaxed space for discussing bridal decorations.
The plan for meeting all these needs was to make the interior floor rise seamlessly from the entrance to the main counter and a small mezzanine level. The walls plastered in earth tones, and the smooth curves, inspired by Nara’s landscape of basin and mountains, form a backdrop that brings out the natural colors and forms of flowers. The work area is large enough for multiple florists to work on floral decorations, and there is ample storage space below the counter, which is 950mm above floor level, and under the floor.
The level difference and the flowers serve as a gentle psychological boundary, making the meeting area on the upper level a relaxing space to use. A hanging lampshade at the rear of the store casts soft light and draws the eye there to emphasize the depth and height of the space.
The curving stepped display counter attracts attention into the store and accommodates varied amounts of inventory. It also serves as the working area where the florists can be seen from outside as they create their works, making this a hybrid studio and flower shop.
GIGI VERDE Nara
Usage: flower shop
Address: 1F Aburasakacho 421, Nara-shi, Nara
Spatial design: Sohei Arao / SIDES CORE
Construction company: THE Ltd.
Lighting design: DAIKO ELECTRIC CO., LTD. Staff in charge: Yasuyo Kawakami
Size: 43㎡
Design period: May7,2024-June27,2024
Construction period: July15,2024–August6,2024
Date opened: September 1,2024
Photography: Yosuke Ohtake