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2025.12.05Fri
2025.12.04Thu
「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催。入場チケットをプレゼント。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどる
デザイン:三上悠里

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日程
2025年12月25日(木)
–
2026年4月2日(木)
art|exhibition
「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催。入場チケットをプレゼント。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどるソル・ルウィット「ストラクチャー(正方形として1, 2, 3, 4, 5)」1978-80年、滋賀県立美術館蔵 © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.
東京都現代美術館での展覧会「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」の入場チケットの抽選への応募はこちらから
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「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催されます。
入場チケットを抽選でプレゼントいたします。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展です。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどります。
展示会期は、2025年12月25日から2026年4月2日まで。展覧会の公式ページはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2025年12月22日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

東京都現代美術館では、20世紀後半を代表するアーティスト、ソル・ルウィット(1928–2007)の日本の公立美術館における初の個展を開催します。

ソル・ルウィットは1960年代後半、目に見える作品そのものよりも、作品を支えるアイデアやそれが生み出されるプロセスを重視する試みによって、芸術のあり方を大きく転換しました。ルウィットの指示をもとに、ほかの人の手で壁に描かれるウォール・ドローイング、構造の連続的な変化を明らかにする立体作品など、その仕事は「芸術とは何でありうるか」という問いを投げかけています。

本展では、ウォール・ドローイング、立体・平面作品、アーティスト・ブックといった代表作の数々を通して、既存の枠組みや仕組みに再考を促し、別の構造への可能性を開こうとしてきたルウィットの思考の軌跡をたどります。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。


展示内容の一部

以下の写真はクリックで拡大します

「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催。入場チケットをプレゼント。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどるソル・ルウィット「ウォール・ドローイング #1164 ドローイング・シリーズ I 2 (A & B)」構想1969年、初回展示2005年、2010年グラッドストーン(ブリュッセル)での展示 © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.
「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催。入場チケットをプレゼント。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどるソル・ルウィット「ウォール・ドローイング #283 青色の円、赤色の直線、黄色の直線の位置」初回展示1976年、2017年イェール大学美術館ウェストキャンパス・コレクションセンター(コネチカット州ウェストヘイブン)での展示 © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.
「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催。入場チケットをプレゼント。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどるソル・ルウィット「ストラクチャー(正方形として1, 2, 3, 4, 5)」1978-80年、滋賀県立美術館蔵 © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.

みどころ

1. 日本の公立美術館では初となるソル・ルウィットの個展
ルウィットは、1960年代後半、作品の物質的な側面よりも、それを生み出すアイデアやプロセスを重視する芸術の動きに「コンセプチュアル・アート」という呼称を与え、その後の実践に多大な影響を与えました。本展は、日本の公立美術館における初の個展として、ウォール・ドローイング、立体・平面作品、アーティスト・ブックなど、その広範な仕事を検証します。

2. 本展のために展示されるウォール・ドローイング
多くの場合、ルウィットの文章や図面による指示をもとに、アーティスト本人以外の手で描かれるウォール・ドローイングは、1968年に初めて発表されて以来、代表作として知られています。本展では、6点のウォール・ドローイングを展示し、広々とした空間のなかでアーティストのアイデアを体感できます。

3. ルウィットが手がけたアーティスト・ブックを展示
ルウィットは自らのアイデアを多くの人と共有するために、1960年代から晩年までアーティスト・ブックを作品として制作し続けました。本展では、多数のアーティスト・ブックやその他の書籍を通して、アーティストの思考の軌跡をたどります。

リリーステキストより

展覧会について
ソル・ルウィット(1928–2007)は、アイデアを主軸とする作品を通して、芸術とは何でありうるかという問いに向き合った、20世紀後半を代表する米国出身のアーティストです。本展は、日本の公立美術館における初の個展として、ウォール・ドローイング、立体・平面作品、アーティスト・ブックなど、その広範な仕事を検証します。

1960年代、芸術を個人の内面や感情の表現とする伝統的な考えに異を唱えたルウィットは、《ストラクチャー(正方形として1, 2, 3, 4, 5)》(1978–80年)のように、立方体を基本単位とするモジュールを組み合わせることで、構造の連続的かつ体系的な変化によって形態が規定される作品を発表しました。その芸術の根幹をなすのは、目に見える作品そのものではなく、作品を支えるアイデアや構造であり、それらを形態へと移し替えるための仕組みやプロセスに主眼が置かれます。こうした原則を表すのが、「コンセプチュアル・アートについてのパラグラフ」(1967年)に書かれた「アーティストがコンセプトから生まれる芸術のあり方を選択する場合、すべての計画や決定は事前に行われ、実際の作業は形だけのものとなる。アイデアは芸術を生み出す機械となる」という一節です。1968年に初めて発表されたウォール・ドローイングは、代表的な仕事のひとつであり、全体で1,300点を超えます。そのほとんどは、ルウィット自身の文章や図面による指示をもとに、ほかの人の手で壁に描かれ、展覧会では会期が終わると塗りつぶされました。こうした手法やプロセスは、作者性や唯一性、物質的な永続性といった芸術をめぐる前提に再考を促すものです。さらに1980年代以降、作品にはそれまでに見られなかった複雑な形態や豊かな色彩が現れるようになりました。それは、事前に定められた簡潔な指示や計画に基づくという点で同じ原則の延長上にあり、その射程を拡げる試みであったといえるでしょう。

本展が照らし出そうと試みるのは、ルウィットの芸術に通底する「構造を開く思考」です。たとえば、立方体を用いた作品の多くは、外側の各面を削ぎ落とし、骨組みとなる辺を際立たせることで、形態を支える構造を明らかにします。《不完全な開かれた立方体》(1974年)のように、辺の一部を欠いた作品は、連続写真の一コマのように、漸次的な移行の渦中にある構造のダイナミクスを浮かび上がらせ、完全性や不変性を解体します。あるいはウォール・ドローイングにおいて、設置される環境や空間、ドローイングの従事者といった条件に応じ、与えられる形態に変化の余地が残されていることは注目すべきでしょう。アイデアを形態へと置き換えるプロセスにおいて、アーティストによる指示をどれほど厳に正しく実行したとしても、不確定性や他者による一定の解釈の介入は避けがたく、作品はそれを受け入れています。アイデアを特定の個人の所有物とせず、受け取ったすべての人と分かち合おうとする姿勢は、「アイデアは所有できない。それを理解しうる人のものだ」という発言にも表れています。また、自らのアイデアを広く媒介する手段として多数のアーティスト・ブックを制作したルウィットは、1976年、批評家のルーシー・リパードらとともにニューヨークで「プリンテッド・マター」を立ち上げ、既存の美術市場に依存しないアーティスト・ブックの流通を促しました。

1960年代後半以降、作品が単なる鑑賞の対象にとどまらず、思考の場として見直されていくなかで、ルウィットの作品が果たした役割は大きく、とりわけプロセスや指示に基づく実践にとって、いまに至るまで指針のひとつであり続けてきました。既存の構造や仕組みを絶えず組み立て直し、そこに創造的な隙間を生み出そうとしてきたその芸術は、私たちがどのように世界を捉え、関与しうるかに向き合うための起点となり、別の視点や枠組みへの可能性を開くでしょう。

リリーステキストより

「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催。入場チケットをプレゼント。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどる「ウォール・ドローイング #66」を制作中のソル・ルウィット(グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、1971年) © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.

ソル・ルウィット
1928年 米国コネチカット州ハートフォード生まれ
1945年 シラキュース大学に入学し、絵画と版画を学ぶ(1949年卒業BFA)
1951年 選抜徴兵制により米国陸軍に所属し、朝鮮戦争期にカリフォルニア、日本、韓国に派遣される
1953年 除隊後、ニューヨークに拠点を移す
1954–55年 商業雑誌の製版の仕事を経て、I・M・ペイの建築事務所でグラフィック・デザインの仕事につく
1960年 ニューヨーク近代美術館で書店員や夜間受付係として働く傍ら、絵画を制作
1965年 初個展(ジョン・ダニエルズ・ギャラリー、ニューヨーク)
1966年 「Primary Structures」(ユダヤ美術館、ニューヨーク)
1967年 「コンセプチュアル・アートについてのパラグラフ」を『アートフォーラム』夏号に発表
1968年 「Art of the Real」(ニューヨーク近代美術館)
「ベトナム戦争終結のための学生動員委員会への支援展」 (ポーラ・クーパー・ギャラリー、ニューヨーク)にて、ウォール・ドローイングの一作目を発表
1969年 「Live In Your Head: When Attitudes Become Form」(ベルン美術館)
1970年 「第10回日本国際美術展 人間と物質」(東京都美術館)参加のため来日
「Information」(ニューヨーク近代美術館)
1976年 ニューヨークのソーホーにルーシー・リパードらと「プリンテッド・マター」を共同設立
1978年 初回顧展(ニューヨーク近代美術館)
1980年 イタリアのスポレートに拠点を移す
1984年 個展(アムステルダム市立美術館)
1986年 コネチカット州チェスターに拠点を移す
1990年 個展(東高現代美術館、東京)
1994年 個展(ハーグ市立美術館/オックスフォード近代美術館/ポンピドゥー・センター、パリほか)
1995年 「レボリューション/美術の60年代 ウォーホルからボイスまで」(東京都現代美術館)
2000年 回顧展(サンフランシスコ近代美術館/シカゴ現代美術館/ホイットニー美術館、ニューヨーク)
2007年 ニューヨークで死去(享年78歳)


「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催。入場チケットをプレゼント。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどる展覧会メインビジュアル デザイン:三上悠里

■展覧会概要
展覧会名:ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー
会期:2025年12月25日(木)~2026年4月2日(木)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F
開館時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(1月12日、2月23日は開館)、12月28日~1月1日、1月13日、2月24日
観覧料:一般1,600円/大学生・専門学校生・65歳以上1,100円/中高生640円/小学生以下無料
主催:東京都現代美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
協力:The Estate of Sol LeWitt
問合せ:03-5245-4111(代表)


東京都現代美術館での展覧会「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」の入場チケットの抽選への応募はこちらから
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    福田俊 / オフィススグルフクダによる、東京・東村山市の住宅「OVERLAP」。空間境界の“オーバーラップ”が生む関係を主題に計画。均質4分割の“単純な平面”ながら、全体を見通せず視線が奥へと流れ“奥行きを想像”させる構成を考案。確かにある“気配”が“現実を超える広がり”を生む2階、左:ルーム1、右:ルーム3 photo©Yurika Kono

    福田俊 / オフィススグルフクダが設計した、東京・東村山市の住宅「OVERLAP」です。
    空間境界の“オーバーラップ”が生む関係を主題に計画されました。建築家は、均質4分割の“単純な平面”ながら、全体を見通せず視線が奥へと流れ“奥行きを想像”させる構成を考案しました。そして、確かにある“気配”が“現実を超える広がり”を生みだします。

    この家では、用途ごとに壁で空間を分割するのではなく、空間同士の境界がオーバーラップする構成によって生まれる空間の関係性を模索した。

    均質に4分割された単純な平面は、一見すると、同じような部屋が隣接するワンルームにも見える。
    しかし実際には、どこにいても全体を見通せず、室の繋がり方や開口部の位置を調整したことで、視線は止まることなく奥へと導かれ、空間の奥行きを想像させる。

    それぞれの領域は壁や間仕切りで明確に仕切られず、余白を保ちながら、静かに重なり合っていく。

    建築家によるテキストより

    ホールは、4分割されたうちのふたつの平面を跨ぐように配置され、それぞれの天井高は2.1mと最大6m。大きな断面の変化と、窓から差し込む光の違いが、並列する空間に異なる時間の流れをもたらす。

    また、数を絞って設けられた開口部は外の風景を断片化し、全容を見せない。
    中心を持たない構成と重なり合うことで、家の知覚は街へと拡張し、同時に街もまた家の内部へと反転する。

    反復する平面と、視線が届かない構成は、声や音は聞こえるのに姿は見えない、遠くにいるようで近くに感じられるような感覚を生み、姿が見えなくても誰かの存在を確かに感じることで、空間の存在を想像させる。

    建築家によるテキストより

    空間の存在を想像させる感覚は、アピチャッポン・ウィーラセタクンの映画『ブンミおじさんの森(2011年)』において、失われた妻と息子が幽霊や精霊として家に帰ってくる場面とも重なる。この映画の幽霊たちは、恐怖の対象ではなく、そっと空間に寄り添う、親しい存在として描かれている。

    彼らは生者と変わらない姿でそこに佇んでいるが、生者は画面の中にいる時しか語らず、画面の外から響く声は幽霊たちのものだけだ。

    その演出が彼らの「不在」を強調しながらも、確かにそこにいたという気配を空間に深く刻み込み、不在であることが、空間の奥行きをより鮮やかに立ち上げる。

    建築家によるテキストより
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