SHARE 小川晋一都市建築設計事務所による”MINIMALIST HOUSE”
以下、建築家によるテキストです。
この建物は沖縄県糸満市に建つ夫婦2人のためのコートハウスである。建物全体はXYZ方向3Mの倍数で構成され、4枚の垂直平面の外壁と、1枚の水平平面の屋根スラブで構成されている。建物は高さ3.0M(3×1)×幅9.0M(3×3)×長さ18.0M(3×6)のコンクリートの構造体の空間に、3M×18Mのヴォイドの中庭空間と1本の壁状のファニチュアを挿入することで、住宅としての全体の機能配置が生み出されている。
空間構成は、外部のコートにつながる内部空間としてリビング・ダイニング・ベッドルームをリニアに配置し、ファニチュアによって2分割されたもう一つの空間にキッチン・パウダールーム・スタディルームを連続して配置している。壁状のファニチュアの内部にはシャワースペース・トイレ・コート・各種収納を配置し、設備コアとしても機能するよう計画されており、全ての空間はできるだけ仕切るということを必要としないライフスタイルを実現している。空間を構成するグリットは3M×3Mを基本とし、その倍数を組み合わせることで全体の空間構成を行っている。
外部とつながる空間は、沖縄という地域を考慮し、庇を出すなど直射日光の進入を少なくするよう工夫され、外壁にはハイドロテクトを使用することで、メンテナンスを容易にすることも考慮されている。キッチン・パウダールーム・スタディルームの機能を複合的に合わせもたせたカウンターは人造大理石のコーリアンで一体成形を行い、空間内部を直線的につながる構成にすることで、ミニマムでありながらもフレキシブルに多様な生活を許容する住空間をつくり出している。
■建築概要
名称:MINIMALIST HOUSE
所在地:沖縄
主要用途:専用住宅
主体構造:RC造
規模:地上1階
敷地面積:211.59平米(64.0坪)
建築面積:102.22平米(30.9坪)
延床面積:102.22平米 (76.3坪)