SHARE ツバメアーキテクツによる、東京・高島平の、昼間に地域の寄合所として開放される居酒屋「高島平の寄合所/居酒屋」
ツバメアーキテクツによる、東京・高島平の、昼間に地域の寄合所として開放される居酒屋「高島平の寄合所/居酒屋」です。
施主夫婦の奥さんは電気屋を経営しながらお店の一部を地域に開放することで、住民の会話や習い事の場所を提供したり、遠出の出来ない高齢者のために様々なお取り寄せを行うなど、地域のコミュニティを繋ぐ活動を行っていた。こうした活動を本格化するために、旦那さんが経営する居酒屋の昼間の閉店時間を有効活用し、地域の寄合所にできないだろうか?というのが夫妻と共に構想したストーリーである。
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高島平の寄合所兼居酒屋の計画。
高島平は1956年に日本住宅公団が土地を買収しマンモス団地を建設して以来、山手線駅への接続の良さから、多くの若者が住む新興住宅地であった。その子供世代が都心へ移り住む事によって、現在では住民の約半数が65歳以上という深刻な高齢化が進んでいる。
そんな状況の中、施主夫婦の奥さんは電気屋を経営しながらお店の一部を地域に開放することで、住民の会話や習い事の場所を提供したり、遠出の出来ない高齢者のために様々なお取り寄せを行うなど、地域のコミュニティを繋ぐ活動を行っていた。こうした活動を本格化するために、旦那さんが経営する居酒屋の昼間の閉店時間を有効活用し、地域の寄合所にできないだろうか?というのが夫妻と共に構想したストーリーである。
限られたスペースの中で二つの用途を成立させるために、まずそれぞれの用途に必要となる設えを左右の壁に振り分け、天井高を変化させることによって寄合所としてのアットホームな雰囲気と居酒屋らしさを共存させる事を考えた。
さらに、居酒屋のカウンターと寄合所の窓辺カウンターを対角に設え、全体に囲みを作る平面構成とする事で、異なる空間でありながらも時間帯によってお互いの空間が拡張し、一体的な空間としても使えるような計画とした。時間帯をずらして異なる取り組みが展開されるこの施設は、普段は出会わない人々のコミュニケーションを促進し、住民同士を結びつける、地域社会の核としての役割を担っている。
■建築概要
施主:「ゆずり葉」& 「JO」
設計:ツバメアーキテクツ
施工:角屋工務店
竣工:2014年9月