SHARE 京都工芸繊維大特任教授のエルウィン・ビライがキュレーションする、ギャラリー間の30周年記念展「アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて」の概要
京都工芸繊維大特任教授のエルウィン・ビライがキュレーションする、ギャラリー間の30周年記念展「アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて」の概要が公開されています
京都工芸繊維大特任教授で建築評論家のエルウィン・ビライがキュレーションする、ギャラリー間の30周年記念展「アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて」の概要が公開されています。リン・ハオ、ヴォ・チョン・ギア、大西麻貴+百田有希、チャオ・ヤン、チャトポン・チュエンルディーモルの5組が展示を行うようです。また、会場構成は藤原徹平が手掛けます。
TOTOギャラリー・間は創設30周年を迎えました。これを記念して、タイ、シンガポール、ベトナム、中国、日本のアジア各地から建築家を招いて展覧会を開催するとともに、東京、札幌、仙台、京都、福岡、沖縄の各地で記念イベントを開催いたします。
1985年の創設以来、私たちを取り巻く状況が加速度的に日々刻々と変動し明日の姿が見えにくくなっている今、本企画はアジアという共通項で結ばれながら多様な背景をもつ人びとが一堂に会し、互いの物語を共有し、違いを認め合い、未来に向けての共通の課題を見出すための試みです。
そしてまた、各自が拠って立つ場所への批評的な視点と日々の真摯な実践にこそ、新たな日常を拓く力が生まれ得ることを確認し、ともに次の一歩を踏み出したいと願っています。
ゲスト・キュレーターからのメッセージ
この困難な時代に、私たちはいったいどのように建築に取り組めばよいのか。めまぐるしく変化する世の中に、はたして建築は追いついているか。いったい建築は、私たちの日常生活にとって何なのか……。その答えを見つけるために、アジアから5組の建築家を招き、問いへの答えを探る。
紛争と混乱を経てはそのたびに立ち直ってきたアジアには、たくましい生命力がある。そこには力強い思想があり、さまざまな規模と速度があり、危機や難題をものともせずに未来を展望するたくましさがある。そこは欲望の場所であり、失うことを恐れずにひたすらに未来を志向する場所である。
本展では、5組の建築家それぞれの示すアジアの日常をヒントに、私たちはストーリーの展開を追うようにして、自然と建築と日常の関係を探ることになる。チャオ・ヤンとリン・ハオの展示では、自然と建築のスタディをじかに学ぶ。ヴォ・チョン・ギアの展示では、自然の中の建築を間近に見る。チャトポン・チュエンルディーモルと大西麻貴+百田有希は、建築および日常の与えるさまざまな印象を再現してくれる。展示空間で繰り広げられるこのストーリーからは、アジアの建築体験を織りなす各キーワード(日常、自然、建築)の関係もさまざまであることが実感されるだろう。
私たちは彼らに、既成の風景や従来の環境構築の仕方をひそかに覆しかねない力を見る。この破壊行為は、繊細な感性、知的な厳密さ、そして鋭い洞察力をもってなされる。私たちが目にするのは、物質的な量ではなく生活の質を高めるような建築を追い求める姿である。本展は、実は誰もが無意識に経験している〈アジアの日常〉を呼び覚ますものとなるだろう。
エルウィン・ビライ/本展ゲスト・キュレーター
■関連リンク
>リンハオ・アーキテクツ+KUUによるシンガポールの「ガーデンフードパビリオン/ SATAY BY THE BAY」