SHARE 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・恵比寿の、既存カプセルホテルを改修した「ドシー恵比寿」
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・恵比寿の、既存カプセルホテルを改修した「ドシー恵比寿」です。
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この「℃(ドシー)」というカプセルホテルの改修計画は株式会社ナインアワーズの新規事業で、「9h(ナインアワーズ)」がカプセルそのものを一から設計し直すことで従来のカプセルホテルのイメージを払拭させたのに対し、「℃」では、既存カプセルを維持しつつその周辺、つまり内装などを変えることで既存のカプセルホテルに対する古い印象を払拭させたいと考えた。ただ、既存のカプセルのこのベージュ色が、レトロな時代を感じさせるなかなかな曲者で、あえてインテリアの色をその色に寄せていくことでそのベージュ、つまり、既存カプセルの印象を払拭させたいと考えた。
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以下、建築家によるテキストです。
この「℃(ドシー)」というカプセルホテルの改修計画は株式会社ナインアワーズの新規事業で、「9h(ナインアワーズ)」がカプセルそのものを一から設計し直すことで従来のカプセルホテルのイメージを払拭させたのに対し、「℃」では、既存カプセルを維持しつつその周辺、つまり内装などを変えることで既存のカプセルホテルに対する古い印象を払拭させたいと考えた。ただ、既存のカプセルのこのベージュ色が、レトロな時代を感じさせるなかなかな曲者で、あえてインテリアの色をその色に寄せていくことでそのベージュ、つまり、既存カプセルの印象を払拭させたいと考えた。また、「カプセルホテルといえばサウナ」という古いステレオタイプな印象があるところに、その建物自体は元々サウナがないのに、あえてそのイメージに寄せていき、その古い印象だけ払拭させ、2つの強い結び付きを「℃」のアイデンティティとした。
そもそも、日本のサウナはフィンランドから輸入されて独自の発展を遂げ水風呂とセットになったが、元をたどるとクールダウンが大事で、ここでは温度選択可能な冷水のウォームピラー(TOTO)でそのクールダウンをはかる。また、サウナ自体も本場フィンランドで多く使われるセルフ「ロウリュ」式を採用した本格的なサウナとなっている。
また、シャワールームからサウナ付近に至るスペースをFRPクリア仕上げで床壁天井を作り、それで防水性能を満たした。
また、表の階段は維持管理のために表層の化粧を取り去りスケルトン化し、錆止塗装を再塗装することで、その色をコンセプトカラーとして建物全体にも配色した。
■建築概要
題名:ドシー恵比寿
設計:長坂 常/スキーマ建築計画
担当:山本亮介, Matthieu Darcourt
所在地:東京都渋谷区恵比寿1-8-1
主用途:カプセルホテル
施工:
ジーク株式会社(建築)
テルマリウム株式会社(サウナ)
株式会社大同ポリマー(FRP)
株式会社 岡村製作所(什器)
コトブキシーティング株式会社(カプセル)
デザイン協力:
廣村デザイン事務所
Design Studio S
階数:8階
敷地面積:125.122㎡
建築面積:105.287㎡
延床面積: 726.163㎡
構造:鉄骨造
竣工:2017年12月
写真:株式会社ナカサアンドパートナーズ