SHARE 安田博道・石丸由美子・干場弓子 / ときにわ が改修を手掛けた、神奈川・横浜の「ときにわオフィス」
安田博道・石丸由美子・干場弓子 / ときにわ が改修を手掛けた、神奈川・横浜の「ときにわオフィス」です。
古い公団住宅のような間取りが残る一室を、通常行われる建設行為とは逆向きの行為をデザインと考え、その場にあったモノや廃棄されたモノを取捨選択し、試行錯誤を繰り返しながら改修を進めました。そうしてできた空間はどこか懐かしくも新しい空間として再生されました。
築60年のRC防火帯建築の一室をシェアオフィスにリノベーションしたものです。当時この部屋は、湿式の左官壁による木造フレームと建具で仕切られていました。改修を進めるにあたって、横浜で活動し、廃棄予定で使わなくなったものを生かして利用する美術家のnitehi worksに施工を依頼し、彼らの廃材ネットワークを活用しました。
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「ときにわオフィス/取捨するリノベーション」
古い公団住宅のような間取りが残る一室を、通常行われる建設行為とは逆向きの行為をデザインと考え、その場にあったモノや廃棄されたモノを取捨選択し、試行錯誤を繰り返しながら改修を進めました。そうしてできた空間はどこか懐かしくも新しい空間として再生されました。
築60年のRC防火帯建築の一室をシェアオフィスにリノベーションしたものです。当時この部屋は、湿式の左官壁による木造フレームと建具で仕切られていました。改修を進めるにあたって、横浜で活動し、廃棄予定で使わなくなったものを生かして利用する美術家のnitehi worksに施工を依頼し、彼らの廃材ネットワークを活用しました。
ここでのデザイン手法は以下のものです。
・作った過程を引き返すように解体し、必要なモノと捨てるものを選り分ける
・廃材となっていた材料を調達して利用する
このことによって、現場に[埋もれていた]モノと、廃材から[拾われた]モノのコラージュが、遠い記憶を呼び覚ますような、どこか懐かしい心地よさに繋がりました。[ときにわオフィス]は、今後のリノベーションデザインのひとつのモデルとなる取組だと考えています。
貼る・塗る→剥がす
非構造壁である間仕切り壁は、木ズリ→左官下塗り→中塗り→上塗りで構成されていました。オフィスのプランに対応するように部分的に「木ズリ」を残し、空間を再構築しました。
取付ける→取外す
既存の造り付け家具なども基本的に取り外す作業を行うことでリデザインを行いました。取り外された後に現れたコンクリート打放しなどは場に力強さを与えています。
また、取外すことを基本デザインとすることで室内荷重も2.35t減少し、既存の建物への耐震効果も期待できます。
捨てる→利用する
時が刻まれた既存の柱・鴨居・敷居をそのまま残した入れ子構造とし、当時の住宅のスケール感を継承しています。今回、新たに加えた棚や小上がり・床(フローリング板)などについても現場からでた廃材や、廃材ネットワークから調達しています。
■建築概要
題名: ときにわオフィス
設計:安田博道・石丸由美子・干場弓子/ときにわ
建築担当:安田博道・石丸由美子・干場弓子
所在地:神奈川県横浜市中区
用途:事務所
施工:nitehi works
階数:1階
延床面積:38㎡
構造:RC造
内部仕上げ
床:住宅用フローリング端材 (他の現場で不要となったもの)
壁/天井:ソイルペイント HILARI
柱/鴨居:既存の柱・鴨居を残す
間仕切:既存の木ズリを残す
設計期間:2017年10月~2017年12月
施工期間:2018年1月~2018年2月
竣工:2018年2月
写真:後藤武・ときにわ
安田博道
1965年静岡県生まれ/1990年横浜国立大学工学部建築学科修士課程修了/1990年設計事務所アトリエ第5建築界/1992年ワークステーション/1998年環境デザイン・アトリエ設立/横浜国立大学他非常勤講師
石丸由美子
1972年三重県生まれ/1992年専門学校日本デザイナー学院インテリアデザイン科卒業/1992年加藤進建築設計室/1995年渡欧/1998年村山建築設計事務所/2015年イシマル建築設計室設立
干場弓子
1977年台北生まれ/2003年 千葉大学工学部建築学科修士課程修了/2003年計組織ADH/2005年UR都市機構都市デザインチーム出向/2010年studio BO5共同主宰/明治大学他非常勤講師