SHARE 水谷元 / atelierHUGE+奈良祥司 / あおぞら建築工房による、福岡の集合住宅「第三永伸アパート」
水谷元 / atelierHUGE+奈良祥司 / あおぞら建築工房が設計した、福岡の集合住宅「第三永伸アパート」です。
博多駅に程よく近い商店街から路地に入った場所が計画地である。福岡では珍しく下町の風景が広がっている。高度経済成長期に建設されたと思われる長屋や木造賃貸アパートが建ち並ぶ密集市街地。その一角に計画したアパートは、街の風景に馴染みながら、ファミリー世帯や単身者が間取りに捕われずに生活することのできる空間を目指した。1階は用途で住まい方を限定させないように、土間・水廻り・居室を田の字型に配置したシンプルなプランとした。1階部分はSOHOや事務所利用も想定し、街並に生活が溢れ出ることを狙っている。 2階は単身者の利用を前提としているが、2人以上の利用も考えられるため、ロフトやサンルームを設けて居場所を確保できるようにしている。サンルームは物干室として利用でき、福岡特有の黄砂やPM2.0などの大気汚染対策も兼ねている。2階のそれぞれの住戸へはサンルームの明かりの入る独立した玄関と階段でアプローチする。中庭には建物を縦に繋ぐ樹木を植え込み、ベンチを用意した。建築全体を構成するマテリアルは街にとって馴染み深い素材を選んでいる。入居者の暮らしが開口部を通して溢れ出し、空間全体が路地の街並に溶け込む事を狙った。
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■建築概要
所在地:福岡県福岡市博多区
竣工年月日:2018年3月
敷地面積:315.28㎡
建築面積:177.62㎡
延床面積:352.76㎡
構造形式:木造在来工法2階建て
設計監理:水谷元/atelierHUGE+奈良祥司/あおぞら建築工房
施工:細井健太郎/快適住まい工房
植栽:山口陽介/西海園芸
写真:石井紀久