SHARE 内田デザイン研究所による、香港の高層集合住宅内の3階に位置するパブリックスペース「Fleur Pavilia(フルール・パビリア)」
内田デザイン研究所が設計した、香港の高層集合住宅内の3階に位置するパブリックスペース「Fleur Pavilia(フルール・パビリア)」です。
このスペースは、高層集合住宅の3階にあるパブリックスペースで、日常生活で使用される娯楽室、キッズルーム、スポーツ施設、パーティキッチンなど、庭を取り囲むようにさまざまなファシリティが円形に配置されています。ここでは多様なファシリティが緩衝しないように区分し、それぞれから庭や外部に触れられるように外部との関係を構築する必要があったため、空間における景色を意味する「インテリアスケープ」という主題のもと、インテリア計画に3つのテーマを挙げました。
ひとつは、「仕切りのデザイン」、二つ目は「機能のデザイン」、三つ目は「地と図のデザイン」です。
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以下、デザイナーによるテキストです。
Fleur Pavilia (フルール・パビリア)
このスペースは、高層集合住宅の3階にあるパブリックスペースで、日常生活で使用される娯楽室、キッズルーム、スポーツ施設、パーティキッチンなど、庭を取り囲むようにさまざまなファシリティが円形に配置されています。ここでは多様なファシリティが緩衝しないように区分し、それぞれから庭や外部に触れられるように外部との関係を構築する必要があったため、空間における景色を意味する「インテリアスケープ」という主題のもと、インテリア計画に3つのテーマを挙げました。
ひとつは、「仕切りのデザイン」、二つ目は「機能のデザイン」、三つ目は「地と図のデザイン」です。
仕切りのデザインは、各動線上の通路を縁側と見立て、ニュートラルなイメージのなかで、片方に全面ガラス越しに庭が見え、片方にファシリティエリアの仕切りをつくるという方法です。仕切りのデザインには、かつてデザインした可動式茶室の竹で編んだ格子のパターンを採用し、庭や外部が感じられるよう透過性はあるけれど仕切られているという中間的な仕切りとしてあります。
また、二つ目の機能のデザインは、ファシリティ内部のデザインとゾーンごとに区分するための門のデザインです。各機能は異なっていますので、それぞれを区分すると同時にファンクションに応じた環境になるようデザインしてあります。
三つ目の地と図のデザインとは、基本的デザインを地とし、家具などを含めた装飾やアートを図ととらえたデザイン構成です。
また、今回は、1階の共有エントランスのデザインも行いました。エントランス正面には、ダンシンウォーターと名付けた水景装置を配置し、お迎えの空間に安堵感を与える自然のゆらぎをシンボリックに表現し、レセプションエリアには、格子と光壁で、3階のパブリックに通じるデザインイメージを連続しました。
たくさんの人が気持ちよく暮らす場所だからこそ、豊かで使いやすいパブリックとイメージが求められます。外部との関係、仕切りのデザインは重要な要素となって活かされています。
■建築概要
Fleur Pavilia(フルール・パビリア)
設計・デザイン:内田デザイン研究所(鈴木学+髙平洋平)
建設地:1 Kai Yuen Street, North Point, Hong Kong
用途:共同住宅
延床面積 (設計対象面積):GF 222.8㎡ 3F1359.3㎡ 合計1582.1㎡
竣工:2018年10月
写真:淺川敏、New World Development Company Limited