SHARE 元木大輔 / DDAAによる、東京・港区の鮨店「鮨よしい / sushi yoshii」
元木大輔 / DDAAが設計した、東京・港区の鮨店「鮨よしい / sushi yoshii」です。
鮨よしいは表参道の大通りから一本入った路地にある。
看板は極めてひっそりとしていて、お店のアプローチは暗い廊下から始まり、突き当りに蹲手水がおいてある。手水鉢にはスポットライトがあたっている。ここで手を清めて店内に入ると正面の壁には杉本博司の作品が目に入る。
北大路魯山人の「握り寿司の名人」によれば、「戦後、寿司が立ち食いから椅子にかけて食うようになった」らしい。
かつて屋台で立ち食いだった鮨の起源にならい、店内は薄暗く、唯一コンテンポラリーアートと大将の一挙手一投足をスポットライトで照らしている。
明らかに仕込みから違うお鮨と美味しいお酒に舌鼓をうちながら、目の前のコンテンポラリーアートと大将の美しい所作を楽しむ。。。と、いうのが「鮨よしい」の基本的な体験構造だ。
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以下、建築家によるテキストです。
鮨よしいは表参道の大通りから一本入った路地にある。
看板は極めてひっそりとしていて、お店のアプローチは暗い廊下から始まり、突き当りに蹲手水がおいてある。手水鉢にはスポットライトがあたっている。ここで手を清めて店内に入ると正面の壁には杉本博司の作品が目に入る。
北大路魯山人の「握り寿司の名人」によれば、「戦後、寿司が立ち食いから椅子にかけて食うようになった」らしい。
かつて屋台で立ち食いだった鮨の起源にならい、店内は薄暗く、唯一コンテンポラリーアートと大将の一挙手一投足をスポットライトで照らしている。
明らかに仕込みから違うお鮨と美味しいお酒に舌鼓をうちながら、目の前のコンテンポラリーアートと大将の美しい所作を楽しむ。。。と、いうのが「鮨よしい」の基本的な体験構造だ。
僕たちがデザインを担当したのは、屋台に倣い1~2年という短期間で移転を繰り返している「鮨よしい」の3店舗目で、連歌のように以前のお店の形式やコンセプトを引き継いでデザインしている。
引き継いだのは、暗いアプローチと以前の店舗ではカウンターの天板として使われていた古材の足場板だ。今回は足場板をアプローチでの本来の用途「足場板」として使っている。板を支えるのは銅メッキした足場用の単管パイプ。
仕上げだけを丁寧に変化させただけのとても簡素な素材をもともとの用途そのままに使用している。
店内のテーブルもそのまま銅メッキした単管パイプを使って組んだ。
そのテーブルの上にのるのは出来るだけ加工されていない「無垢な素材」がふさわしいと思えたので、小口をたたいた大谷石とグロスの高いガラスを重ね、ふっくらしたシャリとシャープなネタのようなコントラストのある素材を選択している。
■建築概要
鮨よしい / sushi yoshii
施主:hiromiyoshii
場所:東京都港区
用途:鮨屋
プロジェクトチーム:DDAA / 元木大輔, 伊東鷹介, 石川雄基
施工:Setup
延床面積:34.22m²
完成:2018年10月
撮影:長谷川健太