SHARE 石本建築事務所+畝森泰行建築設計事務所による、福島の「須賀川市民交流センター tette」
石本建築事務所+畝森泰行建築設計事務所が設計した、福島の「須賀川市民交流センター tette」です。
また、この建築について2019年6月2日に見学会と設計者らが登壇するシンポジウムも開催されますので併せて情報掲載します。(※こちらで要事前申し込み、先着200名)。イベント詳細は最下部をご覧ください。
東日本大震災の復興事業としてつくられた複合施設である。甚大な被害を受けた街の中心地に図書館などの生涯学習、子育て支援、ミュージアムなど複数の機能をもつ活動の場をつくることで、失われた街の賑わいと市民交流の再生を目指して計画した。
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以下、建築家によるテキストです。
東日本大震災の復興事業としてつくられた複合施設である。甚大な被害を受けた街の中心地に図書館などの生涯学習、子育て支援、ミュージアムなど複数の機能をもつ活動の場をつくることで、失われた街の賑わいと市民交流の再生を目指して計画した。
歴史ある「たいまつ通り」 に面する敷地に、周囲の民家に配慮しながら床スラブを細かく分け、少しずつセットバックしながら積層している。これにより外部には、 人々が街に向かって活動する多くのテラスが生まれ、また内部の吹き抜けはそれぞれのフロアを断面的、視覚的に繋ぐ。1階は敷地の高低差を結ぶスロープ状の空間とし、坂の多い須賀川の街が入り込んでくるような開放感のなか、カフェやイベントスペースなどを設けた。
多くの市民ワークショップを経て、機能区分を超えた有機的な建築を目指した。明るい交流スペースや静かで落ち着ける読書コーナー、立体的な遊び場や縁側のような軒下スペースなど様々な居場所をつくり、それら施設全体に図書を配置している。市民活動と情報が互いに関係することで、目的を超えた様々な出会いや発見が生まれることを目指した。
人、情報、ものが集まり支え合うこの建築が須賀川の街の復興の象徴となり、ここで生まれる多くの出来事や人々の交わり、また将来への創造性が大きく街に伝わり、広がっていくことを願っている。
■建築概要
名称:須賀川市民交流センター tette
所在地:福島県須賀川市中町4-1
主要用途:図書館 生涯学習活動 子育て支援 市民活動支援
建築主:須賀川市
敷地面積:7,723.93 ㎡
建築面積:4,876.70 ㎡
延床面積:13,698.58 ㎡
階数:地下1階 地上5階
設計期間:2013年11月~2016年01月
施工期間:2016年04月~2018年08月
設計:石本建築事務所+畝森泰行建築設計事務所
構造:石本建築事務所(構造協力:オーク構造設計)
設備:石本建築事務所
家具:畝森泰行建築設計事務所
サイン:日本デザインセンター 色部デザイン研究室
ランドスケープ:稲田ランドスケープデザイン事務所
防災計画:安宅防災設計
音響計画:唐澤誠建築音響設計事務所
積算:柴田積算
図書館コンサルタント:アカデミック・リソース・ガイド
市民協働コンサルタント:スティルウォーター
展示:丹青社
展示キュレーション:アカデミック・リソース・ガイド
建築アドバイザー:安田幸一
施工:三井住友建設・三柏工業共同企業体
撮影:川澄・小林研二写真事務所
■2019年6月2日開催の見学会・シンポジウムの詳細
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