SHARE 森田悠紀+古谷野裕一による、長野・小諸市の住宅「小諸の家」
森田悠紀+古谷野裕一が設計した、長野・小諸市の住宅「小諸の家」です。
敷地は浅間山の裾野に位置し、南側に千曲川の支流に沿って広がる雑木林を、北側遠景に浅間山を望む事が出来る。雑木林の風景を取り込むことは自然な流れであったが、どのように取り込むかが課題となった。
傾斜地である敷地を歩くと「距離」や「視点の高さ」によって雑木林の印象が変化し様々な表情が感じられ、そのような体験を暮らしの中で感じられる様にしたいと考えた。また、別荘ではなく長い時間を過ごす住宅である為、風景をパノラマビューで一様に切り取るのではなく、各部屋の性質に合わせて様々な大きさ・プロポーションの開口部を設け、部屋ごとに雑木林の異なる表情を感じられることを目指した。
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以下、建築家によるテキストです。
敷地は浅間山の裾野に位置し、南側に千曲川の支流に沿って広がる雑木林を、北側遠景に浅間山を望む事が出来る。雑木林の風景を取り込むことは自然な流れであったが、どのように取り込むかが課題となった。
傾斜地である敷地を歩くと「距離」や「視点の高さ」によって雑木林の印象が変化し様々な表情が感じられ、そのような体験を暮らしの中で感じられる様にしたいと考えた。また、別荘ではなく長い時間を過ごす住宅である為、風景をパノラマビューで一様に切り取るのではなく、各部屋の性質に合わせて様々な大きさ・プロポーションの開口部を設け、部屋ごとに雑木林の異なる表情を感じられることを目指した。
建築の構成は、敷地の傾斜に沿う様に床レベルの異なる2つのボリュームを併置し、滞在時間が長い居間・子供室等を南側へ、寝室・水廻り等を北側へ配置した。南北のボリュームの床レベルは半階ずつずれ、それらのレベル差を繋ぐ様に中央に階段を設けている。生活の中でいくつかの床レベルを行き来することで、視点の高さと共に見える風景が変化し、それらが生活の中で抑揚を持った一連の流れとして感じられる様に計画した。
前面道路からは、2層吹き抜けのテラスによって切り取られた雑木林の風景を望むことが出来る。建築が存在することによって、雑木林を含めた風景の魅力に改めて気付く。そんな住宅を目指した。
■建築概要
設計:森田悠紀 + 古谷野裕一
構造:KMC 蒲池健
施工者:株式会社竹花組
用途:専用住宅
所在地:長野県小諸市
構造:木造
規模:地上2階
竣工:2017年12月
写真:西川公朗