SHARE 八木祐理子+高田一正 / PAN- PROJECTSが設計した、デンマークのレストラン「IZUMI Allerød」
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本プロジェクトはコペンハーゲン近郊の都市Alleroødにおける、レストランのための内装計画である。
クライアントであるレストラン”IZUMI”はコペンハーゲンを中心に数店舗を展開する日本料理屋であり、今回レストラン全体のリブランディングを行うこととなった。そこで我々は新たなレストランのアイデンティティをインテリアによって提案、デザインすることが求められ、このレストランのコンセプト「Japanese cui-sine with a Nordic twist」を空間体験に翻訳することを試みている。
日本と北欧の間では昔から豊かな文化的交流が続いており、特にデザイン分野では日本からのインスピレーションを得て、ここデンマークで独自に発展したものも多く存在している。そのような例をもとに、「日本的」であると考えられるものが、デンマークという場所に入った時にどのような変換(twist)が起こり、その場所のものとして根付いていくのかを考えた。
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以下、建築家によるテキストです。
本プロジェクトはコペンハーゲン近郊の都市Alleroødにおける、レストランのための内装計画である。
クライアントであるレストラン”IZUMI”はコペンハーゲンを中心に数店舗を展開する日本料理屋であり、今回レストラン全体のリブランディングを行うこととなった。そこで我々は新たなレストランのアイデンティティをインテリアによって提案、デザインすることが求められ、このレストランのコンセプト「Japanese cui-sine with a Nordic twist」を空間体験に翻訳することを試みている。
日本と北欧の間では昔から豊かな文化的交流が続いており、特にデザイン分野では日本からのインスピレーションを得て、ここデンマークで独自に発展したものも多く存在している。そのような例をもとに、「日本的」であると考えられるものが、デンマークという場所に入った時にどのような変換(twist)が起こり、その場所のものとして根付いていくのかを考えた。
中でも象徴的なキッチンを覆う緩やかにカーブを描いた木製のパネルは、日本建築におけるモジュールシステムを応用し全体の構成をデザインしつつも、パネル一枚一枚のデザイン自体は北欧の伝統的な曲げ合板の技術から発想を得て作らている。そして意識的に北欧の家具に一般的に使用されるオークを仕上げに選択したことによって、パネル一枚からの印象と、パネルが集まった時に作り上げる室内風景の印象とを異なるものとした。
このような全てのデザインに対し、私達設計者が日本的なデザインをデンマークという場所において求められデザインする際に、デンマークという土地で慣れ親しまれた技術と素材などといった、文化やコンテクストを尊重し、デザイン自体に変換作業が行われたといえる。
結果、空間全体の印象が、日本でも北欧でもあり、どちらでもない、訪れた人々の文化的背景によってどのように捉えるのかが異なる作品となった。
■建築概要
プロジェクト名:IZUMI Allerød
事務所名:PAN- PROJECTS
竣工年:2018
延べ床面積:180m2
場所:M D Madsensvej 5, 3450 Lillerød, Denmark
デザインチーム:Yuriko Yagi, Kazumasa Takada, Miki Morita, Suguru Kobayashi
クライアント:IZUMI Aps
コンサルタント:Indretningsfabrikken
コラボレーター:Helene Christina Pedersen (Wall Artwork)
写真:Yuta Sawamura