SHARE 村田純 / JAMによる、中国・上海のカフェ&ギャラリー「Café La Loop 86 & Gallery」
村田純 / JAMが設計した、中国・上海のカフェ&ギャラリー「Café La Loop 86 & Gallery」です。
上海浦東新区に計画されたカフェ&ギャラリーである。
複合アートセンター「船厰1862」は、150年の歴史を持つ造船工場であり、2018年隈研吾氏によって改修された。周辺は金融の中心地として急速な発展を遂げており、外資系企業をはじめ、高級ホテルやアパートメントが立ち並ぶ。
この建築の1階、大きな吹抜空間に面する一画にカフェとギャラリーが計画された。
コンコースに面する手前のホール側にはカフェとギャラリー、奥にオフィスと倉庫を配置している。
クライアントは、日本文化や観光・不動産やブライダルなど様々なイベントを企画・提案する日本企業である。
ギャラリーでは、これら様々なサービスや活動が紹介され、美しい日本の写真が展示される。
併設するカフェでは、会議や様々なセミナーの利用も想定されており、壁面には大型ディスプレイが備わる。
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以下、建築家によるテキストです。
上海浦東新区に計画されたカフェ&ギャラリーである。
複合アートセンター「船厰1862」は、150年の歴史を持つ造船工場であり、2018年隈研吾氏によって改修された。周辺は金融の中心地として急速な発展を遂げており、外資系企業をはじめ、高級ホテルやアパートメントが立ち並ぶ。
この建築の1階、大きな吹抜空間に面する一画にカフェとギャラリーが計画された。
コンコースに面する手前のホール側にはカフェとギャラリー、奥にオフィスと倉庫を配置している。
クライアントは、日本文化や観光・不動産やブライダルなど様々なイベントを企画・提案する日本企業である。
ギャラリーでは、これら様々なサービスや活動が紹介され、美しい日本の写真が展示される。
併設するカフェでは、会議や様々なセミナーの利用も想定されており、壁面には大型ディスプレイが備わる。
中央のトンネル状のスペースでは、商談やブリーフィングが行われる。開け放たれた両端はカフェと連続しており、空間全体が回遊できるような構成となっている。奥のオフィスと倉庫には天井はなく、ホール側とは断面的につながるワンルームとし、照明や空調を容易にオペレートできるようにした。
カフェ・ギャラリー・オフィスとつながるプラットフォームであるL型の白いカウンターは、エントランスの延長線上に位置し、専属のバリスタが上質なサービスを提供する。
コンコースに面するガラススクリーン足元には、わずかにグラデーションを与え、内部のイベントや展示・流れる映像を際立たせている。また、行き交う人々の興味を惹きつけながらも、外部から客席に向けられる視線を緩和している。
内部は、壁全体ではなく中段までをグレーの磁器質タイルで覆うことで、白壁とのバランスの良いコントラストを演出している。カウンター上部のシリンダーライトとカフェのテーブルライトの真鍮が、モノクロパレットのインテリアにアクセントを加えている。
店内からは巨大なスケールを感じさせる大きな躯体を眺めることができ、造船工場であったことを呼び覚まさせる。煌びやかなリテイラーが並ぶ中で、慎ましい休息の場が実現できた。
■建築概要
Location:Shanghai, China
Design:Oct. – Nov. 2018
Construction:Jan. – Mar. 2019
Function:Café, Gallery, Office
Architect:Jun Murata / JAM
Floor Area:96sqm
Photo:JAM
Website:junmurata.com