SHARE 塚田裕之建築設計事務所による、東京都渋谷区の美容室「andbeautiful」
塚田裕之建築設計事務所が設計した、東京都渋谷区の美容室「andbeautiful」です。お店のウェブサイトはこちら。塚田はシーラカンスK&H出身の建築家です。
カットスペースというのは美容師さん、お客さんにとって一番過ごす時間が長い、最も重要な空間であると位置づけができる。大きな丸い鏡で美容師さんとお客さんをすっぽり包み、視覚的にお互いが確認しやすくなることでコミュニケーションが取りやすくなると伴に作業がしやすくなる。鏡横の照明は演色性の高いブラケット照明でお客さんの顔の影を消し肌の色を自然光の中にいるように綺麗に見せてくれる。壁面に固定したロングカウンターは浮遊感や奥行きを感じさせ、お客さんへのドリンク提供や、ヘアカタログ兼ねたタブレット、小物を置いておくなど広々とした使いやすい什器であり鏡横の照明やコンセントへの配線のルートにもなっている。鏡が取り付く既存の界壁はコンクリートブロックを白塗装し積み重ねた荒めの質感であったので、鏡と木製のカウンターを壁の重量感とは対比的に軽快なディテールにより据え付け壁と什器が一体的になるような設えとした。
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以下、建築家によるテキストです。
可愛く柔らかな空間
andbeautifulは「美と共にある豊かな人生」というコンセプトのもとに恵比寿に新規オープンしたヘアサロンである。
施主からの要望はカット台を4席、シャンプー台を2席、休憩室と受付を設けることであった。施主の要望と店名であるコンセプトに応答し、またヘアサロンらしい空間とは何かと考えた。ヘアサロンは髪や髪型を専門に取り扱う施設であることから、髪というエレメントのもつ浮遊感や、可愛さ、柔らかさを感じさせる空間としたいと考えた。
カットスペースというのは美容師さん、お客さんにとって一番過ごす時間が長い、最も重要な空間であると位置づけができる。大きな丸い鏡で美容師さんとお客さんをすっぽり包み、視覚的にお互いが確認しやすくなることでコミュニケーションが取りやすくなると伴に作業がしやすくなる。鏡横の照明は演色性の高いブラケット照明でお客さんの顔の影を消し肌の色を自然光の中にいるように綺麗に見せてくれる。壁面に固定したロングカウンターは浮遊感や奥行きを感じさせ、お客さんへのドリンク提供や、ヘアカタログ兼ねたタブレット、小物を置いておくなど広々とした使いやすい什器であり鏡横の照明やコンセントへの配線のルートにもなっている。鏡が取り付く既存の界壁はコンクリートブロックを白塗装し積み重ねた荒めの質感であったので、鏡と木製のカウンターを壁の重量感とは対比的に軽快なディテールにより据え付け壁と什器が一体的になるような設えとした。
ヘアサロン内の家具は十分な収納スペースを確保する必要もあり、店舗内でも目を引くほどの大きなヴォリュームになるので突板材で統一製作して柔らかな印象にしたいと考えた。待合スペースの床は紋様の綺麗な陶磁器質タイルで視覚的にカットスペースとの区分を図り、カットモデルを撮影するスペースにもなっている。
髪という概念がもつ浮遊感・可愛さ・柔らかさを空間形成の判断基準とすることでヘアサロンというプログラムのデザインとした。
■建築概要
名称:andbeautiful
用途:美容室
所在地:東京都渋谷区東
規模:39.82㎡
竣工年月:2019年10月
設計・監理:塚田裕之建築設計事務所
照明:吉楽広敦(ツキライティングオフィス)
写真:山内紀人