坪井飛鳥+細貝貴宏+上田哲史 / atelier thuによる、兵庫・加古川市の住宅「Kata」
photo©上田哲史

坪井飛鳥+細貝貴宏+上田哲史 / atelier thuによる、兵庫・加古川市の住宅「Kata」

坪井飛鳥+細貝貴宏+上田哲史 / atelier thuによる、兵庫・加古川市の住宅「Kata」 photo©上田哲史
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坪井飛鳥+細貝貴宏+上田哲史 / atelier thuが設計した、兵庫・加古川市の住宅「Kata」です。

南側隣家の配置の「抜け」に着目し、そこへ建物の抜けをとるように配置を傾けた。歩行者の視線を遮るように南側に木塀を設け、角度をつけた木製のルーバーによって室内からと外部からの視線を操作し、それにより開放的でありながらも豊かな居住性を確保する事を考えた。

家型のフレームを伸ばすことで、夏季の厳しい陽射しを遮り、冬季の暖かい陽射しを室内にとりこむ。南から入る陽の光は床のタイルを温め、ダイレクトゲインによって床暖房を切っていても温かい。気密性を考え開口部は既製品の高断熱のアルミサッシを採用し、内部からは木製サッシのように見えるようにフレームを構造材で隠した。夏季の強い光は和紙調のプリーツスクリーンで調整し、スクリーンを通る柔らかい光が室内を包み込む。

建築家によるテキストより

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以下、建築家によるテキストです。


南側隣家の配置の「抜け」に着目し、そこへ建物の抜けをとるように配置を傾けた。歩行者の視線を遮るように南側に木塀を設け、角度をつけた木製のルーバーによって室内からと外部からの視線を操作し、それにより開放的でありながらも豊かな居住性を確保する事を考えた。

家型のフレームを伸ばすことで、夏季の厳しい陽射しを遮り、冬季の暖かい陽射しを室内にとりこむ。南から入る陽の光は床のタイルを温め、ダイレクトゲインによって床暖房を切っていても温かい。気密性を考え開口部は既製品の高断熱のアルミサッシを採用し、内部からは木製サッシのように見えるようにフレームを構造材で隠した。夏季の強い光は和紙調のプリーツスクリーンで調整し、スクリーンを通る柔らかい光が室内を包み込む。

構造はシンプルな木造軸組み構造であり、居間の中心にある樹齢500年を超える8寸角の米松の大黒柱を中心とした、昔ながらの田の字型プランとした。また、耐候性に配慮し風雨にさらされやすい屋根や外壁をガルバリウム鋼板葺きとし、外観に木の温かみをもたせるため、軒天や内側の壁を杉の板張りとした。日が暮れると家の明かりで杉板の外壁や桧のルーバー、米松の構造材が照らされ、地域の生活道路となっている薄暗い小道へ温かみを与えている。

■建築概要

所在:兵庫県加古川市
用途:専用住宅
規模:木造2階建て
敷地面積:272.16㎡
延床面積:109.30㎡
工事期間:2019年7月10日~2019年11月27日
設計:atelier thu
家族構成:夫婦2人

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁外壁1

ガルバリウム鋼板(立平葺き)

外装・壁外壁2

杉板

外装・屋根屋根

ガルバリウム鋼板(立平葺き)

外装・その他軒天

杉板

内装・床1階床

磁器タイル貼り:ダストスモークサンワカンパニー

内装・床2階床

桧無垢フローリング

内装・壁

クロス

内装・天井天井

針葉樹合板、米松の梁、垂木現し

内装・建具建具

ソフトアートウッドワン

内装・キッチンキッチン

エマージュタカラスタンダード

外構・植栽植栽

カツラ、ブルーベリー

外構・その他外部デッキ

桧材

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杉本博司「頃難に思う」動画
音楽は、ドキュメンタリー映画「はじまりの記憶」(2012年)のために渋谷慶一郎氏が作曲した“Appropriate Proportion”が使用されています。今回の映像バージョンのために新たに編集されたものです。

杉本博司「頃難に思う」(2020年)
プロダクション/テキスト/ディレクション: 杉本博司
音 楽 : 渋谷慶一郎
      “Appropriate Proportion”
      ATAK018 Soundtrack for Memories of Origin Hiroshi Sugimoto
原 文 : 2020年4月15日読売新聞より
展示写真: 京都京セラ美術館「杉本博司 – 瑠璃の浄土」展より
写 真 : 小野祐次、鈴木芳雄、杉本スタジオ

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