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谷尻誠+吉田愛 / SUPPOSE DESIGN OFFICEの、Frame社から刊行された作品集『SUPPOSE DESIGN OFFICE Building in a Social Context』のプレビュー
谷尻誠+吉田愛 / SUPPOSE DESIGN OFFICEの、Frame社から刊行された作品集『SUPPOSE DESIGN OFFICE Building in a Social Context』のプレビュー

谷尻誠+吉田愛 / SUPPOSE DESIGN OFFICEの、Frame社から刊行された作品集『SUPPOSE DESIGN OFFICE Building in a Social Context』をプレビューします。
amazonでは、現在(2017/11/28)時点で「Individual Architects & Firms」「Interior Design」にて売れ筋ランキング1位です。

カンボジアの近代建築を牽引した建築家ヴァン・モリヴァンの特集号『a+u 2017年12月号』のプレビューと、ゲスト・エディター岩元真明によるテキスト「いまヴァン・モリヴァンを取り上げる意味」
カンボジアの近代建築を牽引した建築家ヴァン・モリヴァンの特集号『a+u 2017年12月号』のプレビューと、ゲスト・エディター岩元真明によるテキスト「いまヴァン・モリヴァンを取り上げる意味」

カンボジアの近代建築を牽引した建築家ヴァン・モリヴァンの特集号『a+u 2017年12月号』のプレビューと、ゲスト・エディターを勤めた岩元真明によるテキスト「いまヴァン・モリヴァンを取り上げる意味」を掲載します。


いまヴァン・モリヴァンを取り上げる意味
text:岩元真明

ヴァン・モリヴァンはカンボジアのモダン・ムーヴメント(近代建築運動)を牽引した建築家で、カンボジア近代建築の父とよばれる人物である。多くの建築関係者にとっても彼の名は聞き慣れないものかもしれない。しかし、彼の存在には、戦後の近代建築に関する価値観を覆すインパクトがある。

そもそも、日本以外のアジア諸国のモダン・ムーヴメントはあまり知られていない。しかし、1950~70年代のアジアの建築デザインは日本人建築家の独壇場ではない。ヴァン・モリヴァンはその好例であり、たとえば、プノンペンの国立競技場「ナショナル・スポーツ・コンプレックス」(1964)の構想力・構造美・記念碑性は同年に竣工した丹下健三の代々木競技場に匹敵する。また、熱帯の近現代建築、いわゆる「トロピカル・モダン」の建築家は、スリランカのジェフリー・バワを唯一の例外として見過ごされてきた。しかし、実は類似した表現はカンボジアやタイ、インドネシアといった東南アジア諸国でも同時発生し、独特の展開を遂げていた。水、風、影を重視し、環境を飼い慣らすのではなく、その一部となるような美学。同じモンスーン気候に属する日本の近代建築も含めて、そこには汎アジア的な時代精神が感じられる。

ごく最近に至るまで、東南アジアの建築が世界から注目され、評価されることはなかった。その理由は国ごとに異なるが、冷戦・内戦・貧困・独裁制などが要因となり、建築家が作品を世界に問う状況になかったのである。ヴァン・モリヴァンもその一人であり、彼の作品はカンボジア内戦の影響によって忘れ去られた。冷戦終了後、これらの国々にはグローバリゼーションの波が押し寄せ、外国資本による開発が行われた。その多くは純粋な投機目的であり、西欧の現代建築の劣化コピーとしか呼べないような凡庸な建築が次々と建てられた。このような1990年代の状況をレム・コールハースは「ジェネリック・シティ」と呼び、世界中の都市が平板化されてゆくと予言した。

リナ・ボ・バルディの日本語作品集が11/22に発売。妹島和世と塚本由晴の対談も収録。

リナ・ボ・バルディの日本語作品集が11/22に発売するそうで、現在amazonで予約受付中です

リナ・ボ・バルディの日本語作品集が11/22に発売するそうで、現在amazonで予約受付中です。以下は公式の概要です。

イタリア·ローマに生まれたリナ・ボ・バルディ(1914-1992)はイタリアで建築を学び実務を経験した後、戦後ブラジルに移住し、ブラジル建築の近代化と民主化に貢献した女性建築家です。ブラジル・モダニズム建築の礎を築いたオスカー・ニーマイヤー(1907-2012)の国家的プロジェクトとは対照的に、リナは建築を使う人びとのために、人びとと共に考え、開かれた建築を追究しました。また近代建築の理論とブラジル文化の土着的な魅力の両方を兼ね備えています。

本書では、処女作「ガラスの家」をはじめ、代表作「サンパウロ美術館」、「SESCポンペイア文化センター」、「テアトロ・オフィシナ」など主要な建築作品のほか、家具やキュレーション、舞台デザイン、植栽デザインなど、その幅広い創作活動を網羅しています。リナ直筆のドローイング、手記などの当時の貴重な資料と、本書のために撮り下ろした新しい建築写真も満載。また建築評論家・駐日ブラジル大使のアンドレア・コヘーア・ド・ラーゴ氏による序文、世界的に活躍するふたりの建築家、妹島和世氏と塚本由晴氏による対談も収録しています。

「クリエーションは人びとの自由な世界をつくるためのものでなければならない」というリナのエネルギーと自由に満ちた作品と生涯を、多角的な視点から再評価し、現在の建築界に位置付ける、リナ·ボ·バルディ作品集の決定版です。

建築史家・加藤耕一の著書『時がつくる建築――リノベーションの西洋建築史』が、第39回 サントリー学芸賞を受賞

建築史家・加藤耕一の著書『時がつくる建築――リノベーションの西洋建築史』が、第39回 サントリー学芸賞を受賞しています

建築史家・加藤耕一の著書『時がつくる建築――リノベーションの西洋建築史』が、第39回 サントリー学芸賞を受賞しています。リンク先の選評も興味深い内容です。
この加藤と長谷川豪の対談が過去の10+1websiteに掲載されおり、こちらもとても興味深い内容でお勧めです。
以下は、当書籍の概要です。

建物を創造的に再利用する、豊かな建築文化とは

建築の長い歴史からみれば、既存建築の再利用(リノべーション)はきわめて重要な建築的創造行為であった。西洋建築史にみられる数々の既存建物の再利用の事例や言説を読み解きながら、スクラップ&ビルドの新築主義から脱却し、より豊かな建築とのつきあいかたを示す。

長谷川豪を特集したEl Croquisの最新号(191号)の電子版がzinioで発売中(¥1535)


長谷川豪を特集したEl Croquisの最新号(191号)の電子版がzinioで発売中

長谷川豪を特集したEl Croquisの最新号(191号)の電子版がzinioで発売されています。¥1535(2017/11/9時点)です。リンク先は、zinioのEl Croquis販売ページですが、時期によって新しい号に差し替わる場合があるのでご注意ください。
こちらのページでは、出版社公式で22ページのサンプルを見ることができます

『マスメディアとしての近代建築』の著者 ビアトリス・コロミーナらの新しい書籍『我々は 人間 なのか? – デザインと人間をめぐる考古学的覚書き』

『マスメディアとしての近代建築』の著者 ビアトリス・コロミーナらの新しい書籍『我々は 人間 なのか? – デザインと人間をめぐる考古学的覚書き』がamazonで予約受付中です

マスメディアとしての近代建築』の著者 ビアトリス・コロミーナらの新しい書籍『我々は 人間 なのか? – デザインと人間をめぐる考古学的覚書き』がamazonで予約受付中です。発売は2017年10月24日。
出版社のウェブサイトに概要とプレビュー画像が掲載されています。2017年1月に出版された『Are We Human? Notes on an Archaeology of Design』の翻訳版。

本書は、先史時代(石器)から現代(ソーシャルメディア)に至るまでの、人間と人間が作り出した人工物(artifact)の関係性を照らし出すことで、現在の私たちが理解している「人間」と「デザイン」の意味に揺さぶりをかけます。

ダーウィンやプレストウィッチらによって発見された、生物学的・考古学的な「人間」。
その人間像や工業化に影響を受けた、実はポスト・ヒューマン思想への反応である近代デザイン。
こうして19世紀に見出されたデザインから、アメリカでつくられたグッド・デザイン、そして20世紀を代表するデザイナーであるル・コルビュジエやチャールズ&レイ・イームズたちへ……

デザインの変遷をたどることで、よいデザインは「なめらかさ」という麻酔であること、そこには「欲望」や「亡霊」が隠されていることが暴露されていきます。著者の歩みはそこで終わることなく、生命すらデザイン可能なバイオテクノロジー、携帯電話とソーシャルメディア……と、現在私たちが生きる「デザインの帝国」を問い直します。

第3回イスタンブール・デザイン・ビエンナーレのエッセンスを凝縮して新たに展開させた本書は、デザインという鏡に映る私たち「人間」の姿を追い求めます。その導き手となる問いこそが、 “are we human?”(我々は 人間 なのか?)なのです。

我々は 人間 なのか? - デザインと人間をめぐる考古学的覚書き

スペインの建築誌『El Croquis』の191号が、長谷川豪を特集。22pのサンプルも公開。

スペインの建築誌『El Croquis』の191号が、長谷川豪を特集していて、22ページのサンプルも公開されています

スペインの建築誌『El Croquis』の191号が、長谷川豪を特集していて、22ページのサンプルも公開されています。※フラッシュがないと閲覧できない使用のようです。

島田陽による、中谷礼仁の著書『動く大地、住まいのかたち』の書評「1000年後のBuildinghoodに参加する」

島田陽による、中谷礼仁の著書『動く大地、住まいのかたち』の書評「1000年後のBuildinghoodに参加する」が、10+1websiteに掲載されています

島田陽による、中谷礼仁の著書『動く大地、住まいのかたち』の書評「1000年後のBuildinghoodに参加する」が、10+1websiteに掲載されています。

動く大地、住まいのかたち――プレート境界を旅する

ヴァレリオ・オルジアティやアイレス・マテウスらが指導する、スイスのメンドリジオ建築アカデミーの優秀学生作品集「Yearbook ’16」のPDF版

ヴァレリオ・オルジアティやアイレス・マテウスらが指導する、スイスのメンドリジオ建築アカデミーの優秀学生作品集「Yearbook ’16」のPDF版が公開されています

ヴァレリオ・オルジアティやアイレス・マテウスらが指導する、スイスのメンドリジオ建築アカデミーの優秀学生作品集「Yearbook ’16」のPDF版が公開されています。36MBで175枚のPDFです。

ヘルツォーク、ギゴン&ゴヤー、ケレツら著名建築家が教鞭をとるスイス連邦工科大学建築学科の優秀学生作品集「Yearbook 2016」のPDF版

ヘルツォーク、ギゴン&ゴヤー、ケレツら著名建築家が教鞭をとるスイス連邦工科大学建築学科の優秀学生作品集「Yearbook 2016」のPDF版が公開されています

ヘルツォーク&ド・ムーロン、ギゴン&ゴヤー、クリスチャン・ケレツら著名建築家が教鞭をとるスイス連邦工科大学建築学科の優秀学生作品集「Yearbook 2016」のPDF版が公開されています。全312ページのヴォリュームのある内容。過去のPDF作品集はこちらで閲覧できます。その他にも、ジョン・A・カミナダやパスカル・フラマーなどの著名建築家がスタジオを持っています。

MVRDVが、過去20年の建築作品を概観できるPDFポートフォリオを公開

MVRDVが、過去20年の建築作品を概観できるPDFポートフォリオを公開しています

MVRDVが、過去20年の建築作品を概観できるPDFポートフォリオを公開しています。107枚(約108MB)の容量です。図面は掲載されていませんが、ビルディングタイプごとに仕分けされて写真が掲載されており、見ごたえがあります。

長坂常 / スキーマ建築計画の洋書作品集『Jo Nagasaka / Schemata Architects: Objects and Spaces』

長坂常 / スキーマ建築計画の洋書作品集『Jo Nagasaka / Schemata Architects: Objects and Spaces』がamazonで予約受付中です

長坂常 / スキーマ建築計画の洋書作品集『Jo Nagasaka / Schemata Architects: Objects and Spaces』がamazonで予約受付中です。発売は2017年9月5日を予定。

The evolution of Jo Nagasaka’s design process is unveiled in this unique publication about his studio’s work. The wide-ranging portfolio of the Japanese firm Schemata Architects demonstrates its strengths and inspirational vision. Pinpointing the founder’s creative spark is what this book is all about. Projects range from residential and retail interiors, large-scale installations and interactive interior environments to smaller-scale products.

Jo Nagasaka was born in Osaka and brought up in the Chiba prefecture of Japan. He studied architecture at Tokyo University of the Arts and, after graduating, he established the office Schemata Architects.

Jo Nagasaka / Schemata Architects: Objects and Spaces

佐藤卓の新しい書籍『塑する思考』

佐藤卓の新しい書籍『塑する思考』がamazonで発売されています

グラフィックデザイナーの佐藤卓の新しい書籍『塑する思考』がamazonで発売されています。

ごく日常的な生活と接点を持つデザインを通して、物や事の真の価値と人間の営為との的確な繫ぎ方を、可塑的な柔軟性で考える22章。

塑する思考

403architecture[dajiba]の作品集が、現代建築家コンセプト・シリーズから出版。タイトルは「建築で思考し、都市でつくる」

403architecture[dajiba]の作品集が、現代建築家コンセプト・シリーズから出版されます

403architecture[dajiba]の作品集が、現代建築家コンセプト・シリーズから出版されます。タイトルは「建築で思考し、都市でつくる」です。発売は2017年9月1日を予定。

21世紀に入って経済成長の神話が崩れ、都市回帰と地域再生の動きが同時に進み、建築が大きな転換点を迎えるなか、403architecture [dajiba]は2011年に静岡県浜松市を拠点に活動をスタートし、約6年の間に50のプロジェクトを完成させてきた。
彼らは、敷地やプログラム、クライアントが異なるそれぞれのプロジェクトのなかに「材料転用」「既存応用」「慣習ずれ」「新旧混成」「等価空間」「単位反復」という性格を見出し、新たな建築的価値を浮かび上がらせる。これら6つの「タグ」は、これからの建築が求める複層的な価値観を示すとともに、建築という創造の歴史との豊かな接続を物語っている。
本書では、6つのタグによる作品分析、6つのタグの歴史的解釈を行なうとともに、イギリスの建築家集団「Assemble」とのメール対談では、建築活動の世紀的な転回を語りあう。
建築はこれからどのような意思とともにあるべきか。ここにひとつのモデルが示される。

403architecture[dajiba]  建築で思考し、都市でつくる (現代建築家コンセプト・シリーズ24)

APOLLOの黒崎敏による書籍『新・可笑しな家』のプレビュー


画像提供:APOLLO

APOLLOの黒崎敏による書籍『新・可笑しな家』をプレビューします。

「可笑しな家」とは、ヘンテコな家のことを指す言葉ではありません。夢と欲望を叶えたいと願うあまり、一風変わった住まいをここぞと思う風景のなかに作ってしまう……その純粋で一途なプロセスにこそ「可笑しさ」の本質が詰まっています。

 振り返れば、『可笑しな家』の第一弾が出版されたのはかれこれ10年前。当時は、都市のど真ん中に建てられたタイニーハウス(狭小住宅)が脚光を浴びたものですが、一方で大自然のなかに作られた小屋や、太陽光発電などのエネルギーを採り入れたエコハウスも世界各地にお目見えしました。

 それらに共通していたのは、都市や自然のなかにつつましく佇み、パーソナルな哲学やユニークなスタイルを主張しながら、丁寧に創りあげた独自の「顔」にほかなりません。どれも住み手の意思が色濃く反映され、ストレートな自信と余裕の表情が滲み出ていたように思います。

 個人の夢や欲望は、しばしば斬新で奇抜な家を創作するエネルギーや執念へと変換され、デザイナーやビルダーの力を借りながら、個性あふれる一つの建築となって誕生する。そして、生活を重ねるにつれ、都市や自然の風景の一部として徐々に馴染んでいきます。

 建て主は「建築家」そのものであり、たんなるオーナーにとどまらず、住み続けることで人々に愛され、街のなかに溶け込んでいきます。暮らしの継続性、すなわちサスティナビリティー(持続可能)こそが、建築がもつ真の役割であることを証明してくれるはずです。

 毎日たくさんの情報に接し、選択肢の多い現代では、一つのことをやり遂げることは至極面倒なことに思えるかもしれない。だがしかし、本書に載せた物件のように、「よくやるなぁ……」と呆れつつ、思わずクスッと笑ってしまう愛らしい家々を眺めるうち、妙にその家の成り立ちが気になり、暮らしている住人にも会ってみたくなる。そして、空間や経験こそが真の情報であることに気がつくことでしょう。

 本書では、世界に点在する愛嬌たっぷりの住みかを発掘し、誕生したばかりの夢を宿した“人間の巣”を50軒収録しました。それらに込められた、人間が本能的に求めているエッセンスに、思わず「いいね」とつぶやいてしまうでしょう。どれも夢と欲望の詰まったオモチャ箱……それを形にした人たちの「世にも可笑しな家ものがたり」をお愉しみください。

建築家 黒崎 敏

藤本寿徳のスペインで出版された作品集『KAZUNORI FUJIMOTO ARQUITECTURA 2003-2017』のプレビュー

藤本寿徳のスペインで出版された作品集『KAZUNORI FUJIMOTO ARQUITECTURA 2003-2017』のプレビューがissue.comにあります

藤本寿徳のスペインで出版された作品集『KAZUNORI FUJIMOTO ARQUITECTURA 2003-2017』のプレビューがissue.comにあります。藤本は安藤忠雄建築研究所・NASCA出身で広島県福山市を拠点とする建築家です。近年、自身が設計した住宅のコンクリート製の階段が話題になった事でも知られています。この階段は本書籍の表紙にもなっています。作品集は、こちらのページより購入可能
以下の写真がその階段です。

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