大西麻貴+百田有希 / o+hが設計した「二重螺旋の家」の動画です。
architecturephoto.netでは、震災復興支援活動関連企画として「towards our ordinary life」を読者の皆様にお届けします。
「towards our ordinary life」では、実際に被災地での復興に携わる若い建築家達の活動に焦点を当てインタビューを行い、紹介します。
この企画で、インタビュアーを務めてくれるのは岐阜を拠点に活動している伊藤達信さんです。彼は、スイスのメンドリジオ建築アカデミーにて建築を学び、スイスのミラー&マランタでインターンを務めた経験を持つ若い建築家で、現在はギャラリストとしても活動しています。
彼自身も、坂茂が代表を務めるチームVANのメンバーとして、実際に被災地に赴き、数々の避難所で、間仕切りを設置してきた経験を持っています。
私は、震災以降の彼のブログやtwitterでの発言をフォローしたり、メールでのやり取りを通して、現実としてそこで起きている事、問題とされている事の片鱗をうかがい知ることができました。
それは、マスメディアからは伝わる事はない、リアルさを持ったものでした。
実際に、被災地で活動を行った伊藤さんが、復興に携わる若い建築家達にインタビューを行い、その内容を紹介する事は、我々に多くの事を学ばせてくれるだろうと思います。
それは、ジャーナリストが、当事者にインタビューするという一般的な形式とは異なり、当事者が当事者にインタビューをするという特殊な形式であるからです。
それによって生み出されるインタビューは、今までのメディアでは掬い取れなかったリアルな実感の伴う情報を伝えてくれるものになると思います。
また、ここですくいとられたものが、例え、どんなに些細な事であったとしても非常に意味のある事だと私は考えます。
そして、この企画がarchitecturephoto.netで行われる以上、その経験や情報を「建築」に還元したいと思いました。
建築を学んだ私達は、建築を通して世界をとらえていると思います。
インタビューの質問としては、唐突や、強引に見える部分もあるかもしれませんが、敢えて「建築」という視点を導入しています。
そうする事によって、学生・実務者を問わず、建築に携わる読者の皆様に、この企画を、ただの読物としてではなく、自身の活動を振り返り、発展させる切っ掛けにして貰えるのではないか、という思いもあるのです。
震災より一年が経ちました。実際に、その日の記憶は薄れて行っているのかもしれません。
しかし、被災地では、現在も復興に向けて様々な活動が継続的に行われています。この企画によって、そのような活動を間接的にでも支援する事が出来ればと思っています。
(architecturephoto.net 後藤連平)
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