photo©新建築社写真部
成瀬・猪熊建築設計事務所が設計した、奈良県天川村の集合住宅「天川村定住促進住宅」です。
これは過疎化の進む村における、U・I・Jターンの子育て世帯をターゲットとした定住促進住宅の計画です。
この住宅の建つ天川村南日浦地区は、奈良県の奥大和地域に位置し、夏は涼しく関西地域の避暑地として賑わう一方、冬の寒さが厳しいという特性を持つため、ポリカーボネートによる納屋を設け、冬場の日光による暖気を最大限生かす仕組みとし、村の自然環境を四季ごとに楽しめる温熱空間をつくりました。ポリカーボネートによる納屋は、農家の多い周辺住宅の下屋等にも見られる意匠で、地域にも自然にとけ込みます。
室内に露出する小屋組みを住戸ごとに異なる構造とすることで、無機物的に量産される公営住宅のモデルの中にも異なる居住空間を展開し、家単体に留まらず敷地全体において多様な生活空間を作りました。