【特集:建築家のためのウェブ発信講義】創造系不動産・高橋寿太郎によるレビュー『「在り方」についてのビジネス思想』

1,668.88 【特集:建築家のためのウェブ発信講義】創造系不動産・高橋寿太郎によるレビュー『「在り方」についてのビジネス思想』

書籍『建築家のためのウェブ発信講義』を特集するにあたり、辻琢磨さん(403architecture [dajiba])・猪熊純さん(成瀬・猪熊建築設計事務所)・高橋寿太郎さん(創造系不動産)にレビューを依頼しました。

本書では建築家の世界を「学問としての建築」「ビジネスとしての建築」という視点で語っています。レビュー企画を行うにあたり、これらの視点を体現していると以前より感じていた方々に依頼することで、本書籍の多様な見方が浮かび上がるのではと思いました。

辻さんには「学問としての建築」を体現している立場として、建築家をサポートする活動で注目を集める高橋さんには「ビジネスとしての建築」として、そして、住宅にとどまらず公共・商業など幅広く活動する猪熊さんは、その両方を架橋する視点でのレビューを期待し依頼しました。

執筆頂いたレビューは、建築人としてのそれぞれの立場と実践からの正に「生きた言葉」と言ってよいものになっています。本書籍を理解するための補助線として閲覧いただければ幸いです。
(アーキテクチャーフォト編集部)

【特集:建築家のためのウェブ発信講義】創造系不動産・高橋寿太郎によるレビュー『「在り方」についてのビジネス思想』

 
「在り方」についてのビジネス思想

text:創造系不動産 高橋寿太郎

 
 
 ビジネスモデルを単純化して表現すると、「提供価値と収益構造」と言えます。だから、あるビジネスを差別化するということは、この提供価値と収益構造において、独自に工夫を凝らし、差別化を図るということになります。それは製造業であれ、仲介業であれ、またサービス業、物販、飲食業、教育、通信、ネットビジネスに関わらず共通していて、そしてもちろん、建築設計事務所経営にも当てはまります。その試行錯誤の努力の結果、生まれる新しい「立場(Position)」があります。後藤連平さんの言葉が、その平易な語りかたにも関わらず、いままで聞いたことがない、新鮮な響きがあるのは、その新しい「立場(Position)」から言葉が発せられているからだと思います。

 『建築家のためのウェブ発信講義』は、単なる題名通りの一講義ではありません。また彼が慎重に使用を避けた(と思われる)「マーケティング」に関する書籍でもありません。彼はもっと人間的で、より素朴で身近な言葉を用いて、そのウェブ発信スキルを公開しました。その結果として、これは経営者の「在り方」について触れているビジネス思想についての書籍になったと思います。

 しかし今まで、建築家や設計事務所の仕事が、いわゆるビジネスのテーブルで語られたことがあったでしょうか。ほとんど無かったと思います。彼らの仕事とは、芸術的で知的、時に華々しく、時に深淵で、また社会的な責任に向き合う存在ではなかったでしょうか。彼は本書で、その聖域に身を委ねつつ、同時に切り込むという、果敢なチャレンジャーの役割を担っています。

後藤連平さんは本書の冒頭で、「建築の世界には学問とビジネスの2つの側面がある」と述べました。その通りだと思います。ではビジネスの面をなぜ考えるべきなのか。企業としての設計事務所の売上や収益を上げるために? または家族を養い生活していくために? 有名になって自己実現するために? 後藤さんはそうは言っていません。「どちらも大切である」と言っています。そして「学問とビジネス」という分類にひとまず納得しつつも、読み進めて行くうちに、それらは一体で考えたほうが良いのではないか、という気になってきます。例えばこうです。

阿佐ヶ谷アートストリート建築展「The Think of Locality and Life 地域と生活を考える」が開催

1,289.58 阿佐ヶ谷アートストリート建築展「The Think of Locality and Life 地域と生活を考える」が開催

日程

阿佐ヶ谷アートストリート建築展「The Think of Locality and Life 地域と生活を考える」が開催されます

阿佐ヶ谷アートストリート建築展「The Think of Locality and Life 地域と生活を考える」が開催されます。会場は杉並区役所2階区民ギャラリーで、会期は2018年5月1日~5月11日です。入場無料との事。

杉並は新宿などに近く、住みやすいベッドタウンとしても知られています。また太宰治などのおおくの文豪が住んでいたり、ジブリがあったりと創造の場としてもなじみのあるところです。ただ最近は分譲住宅や高層マンションがたくさん建てられるようになり、古い町並みはほとんど残っていません。生活で考えると経済発展とともに都市の風景は1970年代以降は大きく様変わりしました。これは経済発展により住宅産業のシステムが変わり、古くからある街並みがどんどん消されたからです。住宅は建売住宅や企画住宅など利益のために商品化され、地域とのつながりと生活は乖離してしまったように感じます。
そこでもう一度、地域と生活について考えられないかと考えました。杉並区役所の区民ギャラリーで様々なプロジェクトを通して地域と生活の関係性について、考えることはできないかと考えています。

出品作家
永山祐子、香月真大、メタボルテックス / 渡邉詞男、荻原雅史、officeXAD / 山岸大助・菊地昭人、バンバタカユキ、パーシモンヒルズ、永井拓生、久保都島建築設計事務所、阿部光葉

日時
2018年5月1日(火)-5月11日(金)
9:00-17:00(初日13:00より、最終日は15:00まで)

最も注目を集めたトピックス [期間:2018/4/23-4/29]

134.81 最も注目を集めたトピックス [期間:2018/4/23-4/29]

アーキテクチャーフォト・ネットで、先週(期間:2018/4/23-4/29)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページ右下の「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


1、西沢立衛も審査員に名を連ねる「金沢美術工芸大学」設計プロポの募集概要が公開

2、宮晶子による、埼玉・深谷の食堂「食堂の壁|wall behavior」

3、佐久間達也空間計画所による、神奈川・横浜の住宅(寝室)「Assembly for the Bedroom」

4、ミナ・ペルホネンの皆川明がディレクションして、SIMPLICITY・緒方慎一郎が設計した、豊島の宿泊施設「ウミトタ」の写真など

5、戸川賢木 / SAKAKIAtelierによる、静岡の住宅「井とロ」

6、長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・渋谷の音楽レーベルのオフィス「Toy’s Factory」

7、坂茂の設計で完成・オープンした、大分の「YUFUiNFO / 由布市ツーリストインフォメーションセンター」の写真

8、OMAによる、カタール国立図書館の内外部の写真

9、森美術館での建築展「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」の会場写真

10、オンデザインによる、千葉のリノベーション「暮らしをカスタマイズできる賃貸住宅」の写真

11、SANAA、藤本壮介、坂茂・松田平田、SUEP、日建・タカネが、新香川県立体育館設計プロポで一次審査を通過

12、乾久美子による、宮崎・延岡のJR延岡駅前複合施設「エンクロス」の写真など

13、2018年の日本建築学会賞の入賞作品や著作等の関連動画が順次公開中

14、【特集:建築家のためのウェブ発信講義】成瀬・猪熊建築設計事務所 猪熊純によるレビュー「ウェブと、その作り手をデザインする本」

15、青木淳の最新論考集『フラジャイル・コンセプト』が予約受付開始

16、藤原徹平による、gallary IHAでのレクチャーイベントと連動した展示スペースの会場構成の写真

17、谷尻誠+吉田愛 / SUPPOSE DESIGN OFFICEが、広島でホテルの経営を手掛けることに

18、2018年の日本建築学会による各賞が公開。日本建築学会賞(作品)は「該当作なし」。

19、青木淳による、都営浅草線・東銀座駅に関する考察「交錯する都市の線」

20、「プラハの機能主義建築―伝統と現代建築への影響」展が、チェコセンター東京で開催


過去の「最も注目を集めたトピックス」はこちらでどうぞ

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