中島行雅+古谷野裕一+森田悠紀が設計した、埼玉・さいたま市の住宅「東大宮の家」です。
埼玉県さいたま市に建つ60代の夫婦のための住宅である。建主は庭の一部を家庭菜園として近所の方へ開放しており日頃から来客も多く、趣味の料理やテーブルコーディネートを活かして来客をもてなすことの出来る空間を設けること、それとは別に家族用のダイニングを設けることが求められた。
また、隣地にはこれまで建主が約30年間住み続けた既存住宅があり、既存住宅を子世帯へ引き継ぐことが決まっていた。そのため「建主が移り住む新築住宅」と「子世帯へ引き継がれる既存住宅」とをどのような関係性とするかが課題となった。
そこで新築住宅を既存住宅の対角線上に配置し、新旧2世帯の住宅の採光と眺望を確保しつつ、庭を共有する計画とした。前面道路側の街並みに対しては小さな前庭を設け、ゆとりと潤いを作り出す試みを行った。建築の構成は、共有庭へと開かれた大きな切妻屋根の下に2つの箱を配置する形とし、来客をもてなす為のメインダイニングを中心に設けた。2つの箱には寝室、茶の間(TV室)というプライベートな部屋を配置し、来客を受け入れられる大きな空間と、家族のプライベートな暮らしとが程よい距離感で共存出来る住宅のあり方を目指した。