山田優 / SNARK Inc.+横尾真 / OUVIによる、群馬・みどり市の住宅「西鹿田の家」です。
群馬県みどり市の郊外に建つ木造2階建住宅である。敷地は小高い丘の上の造成された土地であり、盛土により前面道路から3m程高い位置にあった。南側に庭を確保しつつ眼下に広がる田園風景を享受するために既存敷地のレベルに細長い矩形の家型を建てた。この建築では細長い家型ヴォリュームの中に2つの方向性を与えている。
1階は棟材を支える4本の柱を手がかりにリニアなヴォリューム内に複数の居場所をつくった。天井は高く持ち上げられているため屋根を支える架構の存在は薄れ、それぞれが独立した場所として存在している。長手方向の外壁に沿ってひだのような凹凸をつくり、内側ではキッチンや洗面台を収めたり玄関や窓際の溜まりとして、外側では屋根がかかったポーチや室外機などの設備を置く隙間として利用している。凹凸により短手方向にベクトルを与え、それぞれの場所と庭や隣地の林など近隣との関係を作っている。耐力壁を外側へ突出させたことで45度振ることができ、両方向の地震力を負担しながら内部に耐力壁が表れない一体的なヴォリュームを作ることが出来た。