花本大作建築設計事務所が設計した、広島・呉市の、動物病院付住宅「三芦の家」です。
今後の展望を見通すことが出来ない計画道路用地と国道に挟まれ、その周囲には住宅街が広がる敷地に建つ動物病院付住宅である。
小さな必要諸室を連結させた動物病院部分の平面構成や人工照明による均質で安定した環境と対比させたおおらかで光の変化を微細に感じられる住空間、動物病院として際立たせ生活感を消した外観、院内から生じる動物の鳴き声と車の往来による騒音への配慮が求められた。
そのため、この住宅においては建築を構成する床、壁、天井に現れる明度の差を意識的にとることから空間を構成し、その各面に現れる抽象化された自然光を享受することを考えた。また、病院として正面性を与えるために設けた開口部以外はほぼ同形状とし、必要最低限の窓を不規則に配置することで住宅としての匿名性を確保し、内外部から生じる音に対する問題にも配慮した。