園田慎二 / SSAによる、群馬・高崎市の、既存ビルを改修したアートギャラリー「rin art association」
園田慎二 / SSAによる、群馬・高崎市の、既存ビルを改修したアートギャラリー「rin art association」 photo©Shinya Kigure
園田慎二 / SSAによる、群馬・高崎市の、既存ビルを改修したアートギャラリー「rin art association」 photo©SSA
園田慎二 / SSAによる、群馬・高崎市の、既存ビルを改修したアートギャラリー「rin art association」 photo©Anna Nagai

園田慎二 / SSAが設計した、群馬・高崎市の、既存ビルを改修したアートギャラリー「rin art association」です。

群馬県高崎市の現代美術を扱うアートギャラリーの計画である。もとは3階建てのほぼ立方体ヴォリュームで、周辺に向けて均等に窓のある綺麗な立面の事務所ビルである。それを全面的に改修し、3つの異なる空間をもったギャラリーへと変容させた。

展示スペースへ至る出入口には、白い塗装で一様に仕上げられた空間に対して、硬く冷たい人工大理石の三方枠を結界として設けた。また、外壁サッシの額縁には、ガルバリウム鋼板の額縁を設けることで、ブラインドの隙間から漏れる外光は、結晶粒による模様に反射し室内に滲み出る。枠の奥行や素材が、壁の厚みを示し、更には部屋とその外側との「距離」を示す。そのようにして、展示スペースと、その外側との距離を、建具枠を通して推し量ることができる。

最上階では、屋根の一部をくりぬき、塔屋を設け、ハイサイドからの明かりを取り込むようにした。塔屋内の曲面天井を通じて、光は柔らかく拡散する。展示壁に向き合う際に、視線からほんの少し遠い頭上から、明かりが静かに部屋に注ぐ。感じられる外部と部屋とのあいだに一定の距離を保つような採光とした。

建築家によるテキストより
萬玉直子+鎌谷潤 / b-side studioによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸改修「北沢のリノベーション」
萬玉直子+鎌谷潤 / b-side studioによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸改修「北沢のリノベーション」アトリエ photo©黒坂明美
萬玉直子+鎌谷潤 / b-side studioによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸改修「北沢のリノベーション」三方枠。 photo©中村絵
萬玉直子+鎌谷潤 / b-side studioによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸改修「北沢のリノベーション」寝室。 photo©中村絵

萬玉直子+鎌谷潤 / b-side studioが設計した、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸改修「北沢のリノベーション」です。

世田谷の閑静な住宅街にある築 50 年の自邸マンションのリノベーションである。

標準の住戸スパンに合わせて耐力壁があるラーメン構造で、この住戸では全体の空間を 1:2 で分割するように耐力壁が位置している。その両空間をつなぐのは 幅900 mmの開口のみという特殊な構成であった。50㎡の西の空間は、バルコニーに面して南面にのみ開口がある一方、30㎡の東の空間は南・東・北面に開口があり、東に隣接してテラスがある。その両空間の光、風、熱環境の強いコントラストが印象的であった。

そこで、そのコンテクストをもとに、西の空間に LDK・水回り・寝室等の生活する上での最低限の機能をすべて集約し、東の空間は棚と机だけを用意した。

それぞれの空間を〈A 面〉〈B 面〉と呼ぶこととした。

仕上げも対比的で〈A 面〉は床をウールカーペット、壁・天井は躯体を白色に塗り上げ、一部タイルを施し解像度の高いインテリアとしたのに比べ、〈B 面〉は床にフレキ、壁は既存プラスターをサンダー掛けするにとどめ、天井はクロスを剥がしたままであっけらかんとしている。

両空間をつなぐ開口部には奥行き850mmのゲートを施し、空間として連続させながら、体験的、視覚的に緩やかに分節した。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2020/9/14-9/20]
最も注目を集めたトピックス [期間:2020/9/14-9/20]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2020/9/14-9/20)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 山本周+小林栄範による、石川・金沢市の、既存建物を“掃除”することで生き生きとした場を生み出した建築プロジェクト「問屋町の大掃除」と、そのプロセスと考え方を綴った論考「リノベーションからの脱線」
  2. 日本ペイント×architecturephotoコラボレーション企画 “色彩にまつわる設計手法” / 第1回 中山英之・後編「『塗られなかった壁』が生まれるとき」
  3. 平井充+山口紗由 / メグロ建築研究所による、東京の住宅「重箱ハウス」
  4. 隈研吾がスノーピーク社の為に設計した、長野・白馬村の商業施設「snowpeak LANDSTATION HAKUBA」の写真。ショップ、レストラン、カフェと屋外アクティビティを一体化した施設
  5. 杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第6回「タイムスリップ / 木の風船」
  6. iartによる、クリスト&ガンテンバイン設計のバーゼル美術館のメディアウォールの動画。レンガ壁の窪みにLEDを仕込むことでマッシブな表情のファサードに軽やかな動きを追加
  7. 杉山幸一郎による、ドローイングとオブジェクトの作品群「Line & Fill」
  8. 中川宏文+O.F.D.A.+東京理科大学坂牛研究室による、山梨・富士吉田市の、塀「optical drops」
  9. スミルハン・ラディックによる、チリの国立公園近くに建つ住宅「Prism House + Terrace Room」の写真と図面。三角形のヴォリュームをデッキスペースを挟み2つ配置した構成が特徴的
  10. 日高啓道 / まほろば設計、増田忠史+蜂谷伸治 / MASS & HACHIによる、東京・世田谷区の「オフィスリノベーション 駒沢」
  11. フォスター+パートナーズによる、シンガポールの、アップルの新店舗「Apple Marina Bay Sands」
  12. 花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の、動物病院付住宅「三芦の家」
  13. 「葛西臨海水族園、既存建物を利活用 東京都が方針」(日本経済新聞)
  14. 元木大輔 / DDAAによる、アアルトのスツールとそのジェネリック品を改変する100パターンのアイデアをリリースするプロジェクト「Hackability of The Stool」
  15. 中本尋之 / FATHOMによる、広島・呉市の、花店のファサード改修「FLORIST NAKAMURA」
  16. 加藤直樹 / N.A.Oによる、千葉・館山市の住宅「HOUSE-K」
  17. “建築と今” / no.0001「青木淳」
  18. 長坂常 / スキーマ建築計画が改修を手掛けた、東京・墨田区の銭湯「黄金湯」
  19. 宮川清志 / SESNによる、東京・新宿区のアパレルショップ「MURUA」
  20. 丹下健三、グロピウスと共同制作した桂離宮の書籍などでも建築業界で知られている写真家 石元泰博の、東京オペラシティ アートギャラリーでの回顧展「石元泰博写真展 伝統と近代」をプレビュー

村上徹・宮森洋一郎・山澤達義・前田圭介が審査する中国電力主催のアワードが、新築住宅部門・リフォーム住宅部門・学生部門の応募作品を募集中。賞金総額は約150万円
村上徹・宮森洋一郎・山澤達義・前田圭介が審査する中国電力主催のアワードが、新築住宅部門・リフォーム住宅部門・学生部門の応募作品を募集中。賞金総額は約150万円

村上徹・宮森洋一郎・山澤達義・前田圭介が審査する中国電力主催のアワード「ぐっとずっと。エネルギア住宅作品コンテスト2020」が、新築住宅部門・リフォーム住宅部門・学生部門の応募作品を募集しています。賞金総額は157万円です。応募締切は2020年11月30日※当日消印有効
新築住宅部門・リフォーム住宅部門は、応募用紙に「作品の平面図と完成写真・カラープリント等」を貼り付けることで提出が可能。学生部門は、A2用紙(横)片面1枚に「配置図、平面図、断面図、その他設計意図を自由に表現した図面にコンセプト(主旨)を添えて提出学生部門は全国からの応募が可能)。

募集テーマ:家族で築く新たな住まい

新しい環境、新しい時代に 家族の個性が溢れ新たな世界がひろがる そんなアイデアがつまった作品を募集します。

応募条件

新築住宅部門・リフォーム住宅部門
①応募者は、設計または建築した個人および法人とします。
②応募作品は、給湯・厨房・空調などにエコキュートなどの高効率機器を採用した戸建住宅および集合住宅(電化住宅に限定しない)とし、原則として2018年1月1日~2020年10月31日の期間に、当社サービス区域内(首都圏を除く)で竣工した作品とします(こちらのページに対象地域の住所が掲載されています)。ただし、過去の当コンテストに応募された作品は対象外。

※応募作品については、中国電力の広報活動の中で紹介する場合があるため、応募者はあらかじめ施主を含む全関係者の同意を得てからの応募を条件とします。また、応募作品に事実と相違していることが判明した場合、失格とする場合があります。

学生部門
①応募者は2020年4月1日時点で、大学院、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(各種学校)等に在籍する学生の個人またはグループ(上限3名)とします。
②応募作品は、未発表作品とし、過去の当コンテストに応募された作品は対象外。

応募作品については中国電力の広報活動の中で紹介する場合があるため、応募者はあらかじめ了承したうえでの応募を条件とします。

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