トラフ建築設計事務所の会場構成による「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」。東京国立近代美術館にて2021年2月23日まで開催中。
東京国立近代美術館で開催された「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」の会場構成。この国立美術館の合同展では、幅広いジャンルの約120作品により、美術における眠りが持つ可能性を7章構成でたどる。
「眠り」というテーマを象徴するように、展覧会は寝室のカーテンを想起させる重厚な布で装飾したエントランスから始まる。
各章の入り口には、グラフィックによって表現されたカーテンの隙間に、案内役とする18〜19世紀の巨匠・ゴヤの作品が掛けられている。
通路では、ドレープをあしらった布カーテンが蛇行し、先へと人々を誘う。「目を閉じて」、「夢かうつつか」、「生の悲しみ」、「目覚めをまつ」と各章を順に進むにつれ、描かれる眠りの段階が変化する。
混在する実物とグラフィックのカーテン、不安定な印象のタイポグラフィなど、夢うつつを感じる仕掛けによって、鑑賞しながら「眠り」に引き込まれるように錯覚する空間を考えた。