藤本壮介による、ハンガリー・ブダペストの音楽施設「ハンガリー音楽の家(House of Hungarian Music)」の現場写真です。2021年末の一般公開向け建設が進められています。
以下、プレスリリーステキストの抜粋です
ハンガリーの首都ブダペストでは、ヨーロッパ最大の都市文化開発プログラム「リゲット・ブダペスト・プロジェクト」の一環として、日本の藤本壮介が設計した「ハンガリー音楽の家(House of Hungarian Music)」が建設されています。
この建物は、有機的な起伏のある屋根の構造が目を引きますが、その特徴は広いガラスの壁と穴の開いたキャノピーです。同時に、その優美さと透明な表面のおかげで、それを包む公園と調和し溶け込んでいます。
この新しい施設は、音楽の歴史に関するインタラクティブな展示会、コンサート、エキサイティングな音楽教育ワークショップなどの幅広いイベントを通じて、訪問者に無数の音楽体験をもたらす複合的な音楽伝授の世界初の施設として運営されます。2019年には、この建物はインターナショナル・プロパティ・アワードでヨーロッパのベスト・パブリック・ビルディングに選ばれ、2020年のミュージック・シティズ・アワードでは、不動産開発における音楽の世界的なベスト・ユースの称号を獲得しました。
建物は構造的に完成し、2021年末に一般公開される予定です。CNNと世界建築協会は、ザハ・ハディド、レム・コールハース、レンゾ・ピアノなどのスター建築家の作品と並んで、2021年に最も期待される建築物の1つに「ハンガリー音楽の家」を選びました。
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リゲット・ブダペスト・プロジェクトは、現在ヨーロッパで最も重要な文化開発であり、ハンガリー最大規模の公園やランドスケープ建築プロジェクトと、ミレニアム以来の規模の施設の開発を組み合わせたものです。リゲット・ブダペスト・プロジェクトの一環である「ハンガリー音楽の家」は、ブダペストの最も重要な観光スポットの一つである英雄広場の近くに、かつてのオフィス街の跡地に建設されています。設計者の藤本壮介は、ユニークで刺激的で有機的な建物を作り上げました。彼のデザインは、国際コンペに応募された168のプロジェクトの中から、ハンガリー人と国際的な審査員によって選ばれました。
藤本壮介のヴィジョン
藤本は「ハンガリー音楽の家」の国際コンペに応募するにあたり、自然環境と建築環境の境界をなくし、自然と音の調和を図るプロジェクトを構想しました。デザインの特徴である浮かぶ屋根は、音の振動を視覚的に表現した「波」から着想を得ています。
開放感と透明感を意識して、建物の側壁をガラスにし、屋根を穴の開いた構造によって採光できる空間とし、木の葉のように建物の内部に光を取り入れるようにしました。彼はまた、ブダペストのリストアカデミーの有名な分離主義者の建物や、ハンガリーの音楽と音楽教育の国際的に有名な伝統からもインスピレーションを得ています。
「世界初の公共公園のひとつで仕事をするというのは、信じられないほど刺激的なことです。リゲット・ブダペスト・プロジェクト、そしてその中にあるハンガリー音楽の家は、まさに象徴的な開発プロジェクトであり、緑と建築環境の間に並外れた調和を生み出したことから、将来の都市開発者のお手本になるかもしれません。」
と藤本壮壮介はそのヴィジョンについて語っています。