山田優+小阿瀬直+大嶋励 / SNARK Inc. + 横尾真 / OUVIが設計した、群馬・渋川市の住宅「中郷の家」です。
群馬県郊外の国道沿いに建つ建主の実家(母屋)の隣地に、子世帯の住まいをつくる計画。
それと平行して母屋のリノベーションも進められた。生まれてから住み続けてきた土地で新たな家族との生活を始めるには、母屋を含む周辺環境との関わり方を選択でき、多様な住まい方が喚起されることが重要だと考え、性質の異なるふたつの庭とふたつの空間を確保した。
室内は、十字に組まれた柱によってもち上げられた屋根の下にふたつの空間を積層した。
1階は正方形と直角三角形を合わせた台形平面のワンルーム。架構に対応させてフローリング・小梁・ルーバーの方向を切り替えることでワンルーム内に生活の拠り所を作っている。生活に必要な機能は箱に納めて家具のように点在させ、箱と箱の隙間から外部へ視線が抜けるように開口の位置を定めた。中心の十字柱から対角線に架けられた大梁は、四角形平面から最も長い直線を抽出し、水平方向への広がりを強調する。
庭を介して日々変化する周辺環境や暮らしに呼応する遠心性をもつ空間である。