斉藤智士 / 建築設計事務所SAI工房が設計した、大阪・狭山市の住宅「M+K邸」です。
大阪の南東に位置する狭山ニュータウンという郊外型住宅地での計画。
40年ほど前に開発が行われ、現在もベットタウンとして人気であり、新しい住宅が入り混じった住宅地である。施主は子どもと愛犬が安全に元気に走り回れる住まいを希望された。 犬と共に暮らすという事は、毎日の散歩で天気や気候、季節などの豊かな外部環境を感じながら、街の中でちょっとしたコミュニケーションを地域住民とも交わす事ができると思った。そんな人と犬が共に暮らす事で生み出す副産物を住まいに積極的に取り入れたいと考えた。
そこで、住まいの中心に散歩道のような土間空間を設えた。この散歩道は玄関であり、リビングの一角でもあり、縁側のようでもあり、廊下、テラスの一部にもなる。時には道端で世間話をするように住まいの土間でちょっとした交流も出来、間接的だけでなく直接的に繋がることも出来る。
将来的には、外部テラスと2Fの屋上テラスを階段で結ぶことで、地域と1F、1Fと2Fがぐるぐる回れる通路を生み出す事ができる。住まいの中央に散歩道を設けることで、住宅に囲まれたような住まいであったとしても、人と人、ペットと人の関係から何かのきっかけで新たな暮らしの彩りがこの散歩道から生まれていくことを想像した。