妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、TOTOギャラリー・間での建築展「環境と建築」のレポート。進行中のプロジェクト模型中心に構成され、展示物の組み合わせや配置を現場で徹底的に検証調整することで、会場構成による体験自体も建築として捉えられるような展覧会
妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、TOTOギャラリー・間での建築展「環境と建築」のレポート。進行中のプロジェクト模型中心に構成され、展示物の組み合わせや配置を現場で徹底的に検証調整することで、会場構成による体験自体も建築として捉えられるような展覧会ギャラリー1の全景。 photo©architecturephoto
妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、TOTOギャラリー・間での建築展「環境と建築」のレポート。進行中のプロジェクト模型中心に構成され、展示物の組み合わせや配置を現場で徹底的に検証調整することで、会場構成による体験自体も建築として捉えられるような展覧会Puyuan Design and Event Center / Kazuyo Sejima & Associates / 2021年 / 1:75 / 中国の川の中の小さな島全体にガラスの覆いをかける、長さ150mのワンルームのような交流センター。 photo©architecturephoto
妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、TOTOギャラリー・間での建築展「環境と建築」のレポート。進行中のプロジェクト模型中心に構成され、展示物の組み合わせや配置を現場で徹底的に検証調整することで、会場構成による体験自体も建築として捉えられるような展覧会上階のギャラリー2の全景。 photo©architecturephoto

妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、TOTOギャラリー・間での建築展「環境と建築」をレポートします。進行中のプロジェクト模型中心に構成され、展示物の組み合わせや配置を現場で徹底的に検証調整することで、会場構成による体験自体も建築として捉えられるような展覧会になっています。展覧会期は2021年10月22日~2022年3月20日まで(※事前予約制)。展覧会の公式サイトはこちら

こちらはアーキテクチャーフォトによるレポート

SANAAの展覧会がTOTOギャラリー・間で始まる。本来はオリンピックの開催期間に、訪日する外国の方々に日本を代表する建築家の展覧会を見てもらおうと企画されたものであるが、コロナ禍によりそれはかなわず、一年を越える延期の末開催にこぎつけたのが本展である。SANAAとしてのギャラリー間での展覧会は2003年に続き2回目である(妹島単独での展示は1993年に開催されている)。

まず今回の展覧会の特徴のひとつは進行中のプロジェクトの模型を中心に展示されていることだろう。妹島と西沢の解説によれば、実際に事務所で使用されているスタディ模型や、それを展示の為に制作しなおしたもので構成されているのだという。また、西沢はギャラリー間の特徴となっている中庭を挟んで、上下のフロアに展示スペースが分かれていることの難しさにも言及していた。
本展では、下階のギャラリーでは、それぞれの建築がたつ敷地と、その敷地の状況を読み込み設計された建築の関係性を伝える事が意図されたのだという。その為、多くの模型はフロア付近に配置されており、閲覧者は上から眺める形で、模型を観覧することになる。

中庭を挟み、上階のギャラリーに上がると、よりヴォリュームの大きな模型群を目にすることになる。最も大きなスケールは1:1でつくられている「ニューサウスウェールズ州立美術館 シドニーモダンプロジェクト」の模型である、屋根部分と床部分が精密に作られておりガラスの入り方が検討されている。その他にも「新香川県立体育館」に関しては、3つのスケールの模型が展示されており様々な段階で建築が実現されるための検討が行われていることがよく分かる。上下階を何度か行き来していると、建築のおける検討のフェーズを追体験することができる感覚を覚えるし、建築家がアイデアを構想するための抽象的な思考と、実際に建てるための具象的な思考を行き来していることが実感できる展示となっている。

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、チェコ・プラハの複合ビル「マサリチカ」。低層部の店舗と高層部のオフィスからなり、プラハ旧市街の都市計画と対話する外観を持ち、地域の交通の利便性を向上させる建築
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、チェコ・プラハの複合ビル「マサリチカ」。低層部の店舗と高層部のオフィスからなり、プラハ旧市街の都市計画と対話する外観を持ち、地域の交通の利便性を向上させる建築 image©StudioHorak
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、チェコ・プラハの複合ビル「マサリチカ」。低層部の店舗と高層部のオフィスからなり、プラハ旧市街の都市計画と対話する外観を持ち、地域の交通の利便性を向上させる建築 image©StudioHorak
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、チェコ・プラハの複合ビル「マサリチカ」。低層部の店舗と高層部のオフィスからなり、プラハ旧市街の都市計画と対話する外観を持ち、地域の交通の利便性を向上させる建築 image©StudioHorak

ザハ・ハディド・アーキテクツの設計で建設が進められている、チェコ・プラハの複合ビル「マサリチカ」。低層部の店舗と高層部のオフィスからなり、プラハ旧市街の都市計画と対話する外観を持ち、地域の交通の利便性を向上させる建築となっています。2023年の竣工を予定。

こちらはリリーステキストの翻訳です

プラハのマサリチカビルの建設は続き、1階と2階の店舗部分の構造が完成しました。高層階では、テラス付きのルーフガーデンを備えた片持ち梁のオフィスの建設が始まっています。2023年のオープンを予定している28,000㎡のマサーチカビルは、東側の部分が7階建てで、西側の端は9階建てになっています。

マサリチカのデザインは、都市の主要な交通拠点の中にある新しい市民スペースへのアクセスを可能にする、敷地内の循環ルートによって定義された、統一された建築的応答です。

歴史的なマサリク駅をチェコ鉄道が再建し、線路の上に部分的に新しい公共公園を作るのに合わせて、マサリチカのデザインは、北のナ・フロレンツィ通りと南のヒベルンスカー大通りの間に新しい歩行者ルートを提供し、さらに下の鉄道プラットフォームへのアクセスを向上させます。

鉄道駅に隣接し、数十年間放置されていた廃墟のような場所で、マサリチカは、ハヴリーチコヴァ大通りの既存の駐車場を、市内の地下鉄網への入り口を含む新しい公共広場に置き換えます。この新しい広場は、郊外や国内の鉄道サービス、そしてプラハのヴァーツラフ・ハヴェル国際空港に計画されている空港鉄道リンクを利用する人々にとって、街への歓迎のゲートウェイとなるでしょう。

「100本の尖塔の街」として知られるプラハ旧市街の都市計画との対話を確立するために、マサリチカのファサードの外部フィンは、ナ・フロレンツィ通りに沿ったプロジェクトの水平な構成は、旧市街の尖塔に面した西端においては垂直の構成へと変化しています。

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