ファラが2019年に行った、ポルトガル・アルマダでの建築展「Cats & Columns」。コンテンツを構成の一部に変換し、既存空間の特性と他プロジェクトからの戦略の両方を使い、展示自体を建築プロジェクトとして構想された建築展です。
ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。
こちらは、建築家によるテキストの翻訳
「Cats & Columns」は、ファラの作品を包括的に調査したものです。この展覧会では、何千ものドローイング、画像、コラージュ、物理的なモデル、スケッチ、工芸品などが展示され、そのほとんどが初めて公開されたものでした。
この展覧会は、それ自体が建築プロジェクトでした。ここでは既存の空間の特性と、他のプロジェクトから借用した一連の戦略の両方を利用しています。コンテンツは構成の一部となり、建築的な装置に変換されました。窓やドアの大きさや位置を引用した線画がパネルで展示されていました。大きな青い楕円形の面が来訪者を迎え、中央付近にはピンクのベンチに支えられた円柱が、一見すると切り離されたように置かれています。隅にはテレビがあり、低解像度のレンダリング画像が何千枚も映し出されています。また、金属製のチープな棚には作業中のモデルがいくつか展示されています。乾式壁はミントグリーンに塗られています。木製の台座とたくさんのコラージュ作品が、部屋をゆるやかにサイケデリックなパターンで結んでいます。植物は、家庭的な雰囲気を醸し出しています。