中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す
中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す photo©Koji Fujii / TOREAL

中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」です。佳水園は1959年に村野藤吾が完成させた宿泊施設。本設計では、村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”が目指されました。施設の公式サイトはこちら

ウェスティン都ホテル京都は、琵琶湖疎水が京都に流れ込む蹴上の地に位置し、その開通に合わせて開かれた「吉水園」を起源に持つ市内有数の高級ホテルである。佳水園はその敷地内に建つ和風別館であり、建築家・村野藤吾が作り上げた数寄屋建築の傑作である。

入母屋妻面の屋根が棟部分から頭(こうべ)を垂れるような、低く薄い幾重もの屋根が印象的な外観は、築60年を経て今なおその美しさを伝えるが、老朽化が激しく耐震改修を迫られていた。既存の客室は小割で質素なつくりとなっており、昨今のニーズに応えるべく改修することになった。

建築家によるテキストより

庭と外観、共用部に関しては、ホテル側としても設計当時の意匠の維持・復元が大前提であった。しかし、客室内に関しては本館改修計画と同様、耐震改修を施した上で2室を1室に統合し、充実したバス空間をもつベッドスタイルへと拡充することが求められた。そうなるともはや残し得るのは一部の柱や床の間、欄間の意匠、障子だけであった。一部の柱は切り落として継ぎ、既存の聚楽壁は不陸調整のためすべて塗り直す必要があった。また、天井も火打梁の施工や、空調機を天井内に設置しブリーズラインを設けるために全落としとなった。

建築家によるテキストより

文化的価値の高い建築の改修は、保存と再生箇所を明確にわかるように区分することが流儀とされている。しかし上述したように、客室に関しては、それが極めて難しい状況であった。そこで、「月7」のみ間取りを維持し、それ以外の客室は全面的な変更を行った。和式宴会需要の減少から使われなくなった二階の大広間は、南館の減築により眺望を得たこともあり、二室の客室へと改修し、眺めの良いテラスのような雰囲気となるように、瓦風タイル敷きのリビングとした。また、ロビー近くの、倉庫として利用されていた部屋は、村野の書籍や資料を中心としたライブラリーとした。

建築家によるテキストより

われわれは村野が白楊から引き継いだ文人的世界観を継承しながらも、そして「村野が生きていたら、どんな素材や新しい技術で改修するか」を自問しながら設計を行った。なぜなら、佳水園の蓑甲の薄い屋根が木造に鉄骨をハイブリッドさせたことで実現されているように、ここで展開されている「村野数寄」とは、伝統的な数寄屋を工業技術によって、より繊細で流麗な空間に昇華したものであると考えたからだ。

建築家によるテキストより
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)

藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所が設計した、大阪の住宅「阿倍野の家」です。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出すことが意図されました。

場所は大阪市内の街中の住宅地、交通の利便性の良いところです。

建築家によるテキストより

計画地は広い道路と狭い道路の2つの道に挟まれた敷地で、どちらの道も利用できるという特徴がありました。その2つの道路を結ぶ路地空間というものを家の中につくり、家を通り抜けて2つの道を行き来できる流れを作り、動きに自由さのあるプランを考えました。

建築家によるテキストより

大阪の街中は外部からの視線を抑え込みながら、どうやって外部と繋がり感のある開放性を作るかが難しいところです。
阿倍野の家は、路地空間を設けることによって、外のようでもある内部空間を配置して、各用途の部屋が外部とつながっているような感じを作り出し、開放感を得ようと計画しました。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 国際色豊かな実務経験を積んだ3人が主宰する「ULTRA STUDIO」が、業務拡大に伴い設計スタッフ(経験者・新卒)を募集中
【ap job更新】 国際色豊かな実務経験を積んだ3人が主宰する「ULTRA STUDIO」が、業務拡大に伴い設計スタッフ(経験者・新卒)を募集中
【ap job更新】 国際色豊かな実務経験を積んだ3人が主宰する「ULTRA STUDIO」が、業務拡大に伴い設計スタッフ(経験者・新卒)を募集中The Drowned World Anchor ©Kenryou Gu

国際色豊かな実務経験を積んだ3人が主宰する「ULTRA STUDIO」の、業務拡大に伴い設計スタッフ(経験者・新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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ULTRA STUDIOは業務拡大に伴い設計スタッフを募集します。現在、新築住宅、住宅内装、オフィス内装、舞台デザイン、その他多くのプロジェクトが進行中です。

私たちは建築の言語と空間のつながりを大切にしています。
単なる機能的もしくは美的な空間とは異なる、多用な解釈を呼び込む象徴的な空間を、建築、インテイリア、家具舞台美術など、様々な機会を通して目指しています。

私たちは立ち上げて間もない事務所ですが、だからこそ、一緒に事務所を大きくしていこうという熱意を持った方を募集します。

■ULTRA STUDIOについて
向山裕二、上野有里紗、笹田侑志からなる建築コレクティブ。2013年に結成。日本とヨーロッパで経験を積み、2018年より東京をベースに設計活動を開始。都市文化を批評的にとらえなおしつつ、建築的介入を創り出す活動を行っている。
プロフィール詳細:http://ultrastudio.jp/about/

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