村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所が設計した、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー「WOTA office project」をレビューします。本作品は、リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるものを意識させる建築となっています。2010年代のリノベーションが建築作品となった時代を振り返りつつ本建築の意味を考え執筆しました。
以下、実際に訪問したアーキテクチャーフォトによるレビューです
ムトカ建築事務所が設計した、東京・馬喰町のスタジオ・ラボラトリー「WOTA office project」を訪れた。
小規模分散型水循環システムの研究開発・事業展開を行うWOTA株式会社の施設であり、旧銀行であった建物の一棟全てを改修した建築である。改修と書いたが本施設の延床面積は約1600㎡であり、フロアも3つある。つまり、改修として規模がかなり大きいのも特徴のひとつだ。
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建物外観は、旧銀行の面影の多くを残しているのが印象に残った(開口部の新しいサッシはA工事で設置されたもので、ここはC工事を手掛けたムトカの設計によるものではないとの事だった)。内部に足を踏み入れると、広くガランとした空間であることが分かる。これはもちろん家具類が搬入される前の状態で見学したことによるところもあるのだが、その床面積の広さと天井高の高さによるところも大きいだろう。かなりの気積の空間なのだ。