ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」1950年頃に銀行として使われていた面影を残すファサード。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」1階フロアの様子。中央の階段は既存に手を加えたもの。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」2階フロアの様子。上部の銀色の素材は断熱材。外気に面する部分を覆うと共に意匠性も兼ねる。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」3階フロアのカフェの様子。 photo©architecturephoto

村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所が設計した、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー「WOTA office project」をレビューします。本作品は、リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるものを意識させる建築となっています。2010年代のリノベーションが建築作品となった時代を振り返りつつ本建築の意味を考え執筆しました。

以下、実際に訪問したアーキテクチャーフォトによるレビューです

ムトカ建築事務所が設計した、東京・馬喰町のスタジオ・ラボラトリー「WOTA office project」を訪れた。
小規模分散型水循環システムの研究開発・事業展開を行うWOTA株式会社の施設であり、旧銀行であった建物の一棟全てを改修した建築である。改修と書いたが本施設の延床面積は約1600㎡であり、フロアも3つある。つまり、改修として規模がかなり大きいのも特徴のひとつだ。

以下の写真はクリックで拡大します

ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」1950年頃に銀行として使われていた面影を残すファサード。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」ファサードを見上げる。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」エントランスを見る。 photo©architecturephoto

建物外観は、旧銀行の面影の多くを残しているのが印象に残った(開口部の新しいサッシはA工事で設置されたもので、ここはC工事を手掛けたムトカの設計によるものではないとの事だった)。内部に足を踏み入れると、広くガランとした空間であることが分かる。これはもちろん家具類が搬入される前の状態で見学したことによるところもあるのだが、その床面積の広さと天井高の高さによるところも大きいだろう。かなりの気積の空間なのだ。

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私たちは、組織設立以来三十数年にわたり、教育施設や福祉施設を中心に、建築からインテリアまで幅広く設計に取り組んできました。また、工場やキャンパスなどのマスタープランなど広域計画も手がけています(当社のウエブサイトに主要な作品を掲載しています)。
我々が手がけた多くの設計プロジェクトは、権威ある建築賞を多数受賞するなど建築界から高い評価を得ています。また、依頼者にも高い満足をいただき継続的に発注を頂いています。

大野秀敏・江口英樹・山本真也

胡実建築設計事務所による、東京・町田市の住宅「丹沢山を眺める家」。木の塊から作品を作り出す施主への敬意を込め、外装に節材を使い様々なスケールで豊かな素材感を与える、木から削り出したようなヴォリュームの建築
胡実建築設計事務所による、東京・町田市の住宅「丹沢山を眺める家」。木の塊から作品を作り出す施主への敬意を込め、外装に節材を使い様々なスケールで豊かな素材感を与える、木から削り出したようなヴォリュームの建築 photo©田中克昌
胡実建築設計事務所による、東京・町田市の住宅「丹沢山を眺める家」。木の塊から作品を作り出す施主への敬意を込め、外装に節材を使い様々なスケールで豊かな素材感を与える、木から削り出したようなヴォリュームの建築 photo©田中克昌
胡実建築設計事務所による、東京・町田市の住宅「丹沢山を眺める家」。木の塊から作品を作り出す施主への敬意を込め、外装に節材を使い様々なスケールで豊かな素材感を与える、木から削り出したようなヴォリュームの建築 photo©田中克昌

胡実建築設計事務所が設計した、東京・町田市の住宅「丹沢山を眺める家」です。木の塊から作品を作り出す施主への敬意を込め、外装に節材を使い様々なスケールで豊かな素材感を与える、木から削り出したようなヴォリュームの建築となっています。

丹沢連山を望む高台に立地する住宅。

建築家によるテキストより

木工アーティストである施主は、欅などの木の塊から生き生きとしたユーモラスな作品を作り出す。
そんな施主の作品へのリスペクトを込めて、削り出したような木の塊のようなボリュームとした。

建築家によるテキストより

外装材では、節のある木を使用したが、結果的に、外壁のスケールと素材のスケールの中間的なスケールの要素として存在することで、外壁が生き生きとしたものとなり、様々なスケールにおいて豊かな素材感を感じられる住宅となった。

建築家によるテキストより
近森穣 / 07BEACHによる、京都市の、呉服店のショールーム兼写真スタジオ「京都の町家リノベーション」。伝統を守り集客にも繋がるという要望に、既存外壁を取り除きガラスの多面体への置き換えにより、町家が魅力的に見えると共に“ユーモアや工夫のある美しさ”が加わることを目指す
近森穣 / 07BEACHによる、京都市の、呉服店のショールーム兼写真スタジオ「京都の町家リノベーション」。伝統を守り集客にも繋がるという要望に、既存外壁を取り除きガラスの多面体への置き換えにより、町家が魅力的に見えると共に“ユーモアや工夫のある美しさ”が加わることを目指す photo©Ruri Photo Studio
近森穣 / 07BEACHによる、京都市の、呉服店のショールーム兼写真スタジオ「京都の町家リノベーション」。伝統を守り集客にも繋がるという要望に、既存外壁を取り除きガラスの多面体への置き換えにより、町家が魅力的に見えると共に“ユーモアや工夫のある美しさ”が加わることを目指すどっしりと重い従来の飛び石の印象とは違い、グラフィカルで軽やかなものになった。 photo©Ruri Photo Studio
近森穣 / 07BEACHによる、京都市の、呉服店のショールーム兼写真スタジオ「京都の町家リノベーション」。伝統を守り集客にも繋がるという要望に、既存外壁を取り除きガラスの多面体への置き換えにより、町家が魅力的に見えると共に“ユーモアや工夫のある美しさ”が加わることを目指す photo©Ruri Photo Studio

近森穣 / 07BEACHが改修を手掛けた、京都市の、呉服店のショールーム兼写真スタジオ「京都の町家リノベーション」です。伝統を守り集客にも繋がるという要望に、既存外壁を取り除きガラスの多面体への置き換えにより、町家が魅力的に見えると共に“ユーモアや工夫のある美しさ”が加わることを目指す。店舗の公式サイトはこちら

京町家を改修し呉服屋のショールーム兼写真スタジオへとリノベーションした。
クライアントからは呉服屋も伝統を守るだけでは難しく集客に繋がるような面白いものにしたいと言う様な話があった。

それに対し既存の外壁を取り除き、内外の境界線を横断する様なガラス曲面の配置を中心に応えようと考えた。古い町家とガラスの曲面、新旧のコントラストが目を引くのは当たり前として、それだけでは無いユーモアや工夫のある美しさを加えていきたいと思いながらデザインをしていった。

建築家によるテキストより

当初あったガラス曲面案は予算的に非現実的な事が分かり、小幅なガラス板を連ねた多面体に変更した。大きなガラスで透明に見せようとするのとは違うガラスの多面体には着物の煌びやかさに繋がるような魅力があり、等間隔で入る垂直線はガラス壁を町家の意匠と繋いでくれる感覚もあり、コストと意匠両面で積極的に多面体案へと変更していった。

建築家によるテキストより

通りに接していた玄関扉を取り払い室内だった部分へアプローチを引き込み半屋外とし来店時の体験に奥行きを持たせた。様々な使い勝手に対応できる様に表通りに直接面する大きな出入口も欲しいと言うことで、多面体をそのままドアにも当てはめ、への字に折れたガラスドアをデザインした。

建築家によるテキストより

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