藤本壮介による、ハンガリー・ブダペストの「ハンガリー音楽の家」が完成。国内最大規模の公園を敷地として建設、自然と建築の環境の境界をなくす事を意図し、音の振動を視覚的に表現した“波”から着想を得て設計された施設 photo©Liget Budapest Project
藤本壮介による、ハンガリー・ブダペストの「ハンガリー音楽の家」が完成。国内最大規模の公園を敷地として建設、自然と建築の環境の境界をなくす事を意図し、音の振動を視覚的に表現した“波”から着想を得て設計された施設 photo©Liget Budapest Project
藤本壮介による、ハンガリー・ブダペストの「ハンガリー音楽の家」が完成。国内最大規模の公園を敷地として建設、自然と建築の環境の境界をなくす事を意図し、音の振動を視覚的に表現した“波”から着想を得て設計された施設 photo©Liget Budapest Project
藤本壮介による、ハンガリー・ブダペストの「ハンガリー音楽の家」が完成。国内最大規模の公園を敷地として建設、自然と建築の環境の境界をなくす事を意図し、音の振動を視覚的に表現した“波”から着想を得て設計された施設 photo©Liget Budapest Project
藤本壮介 による、ハンガリー・ブダペストの「ハンガリー音楽の家」が完成。国内最大規模の公園を敷地として建設、自然と建築の環境の境界をなくす事を意図し、音の振動を視覚的に表現した“波”から着想を得て設計された施設となっています。アーキテクチャーフォトでは2021年1月に建設段階の様子も特集記事として紹介 していました。施設の公式サイトはこちら 。
こちらはリリーステキストの翻訳です
「リジェ・ブダペスト・プロジェクト(The Liget Budapest Project)」は、ハンガリー最大規模の公園・景観整備と、ミレニアム時代以来の規模の施設開発を組み合わせた、現在ヨーロッパで最も重要な文化開発です。リジェ・ブダペスト・プロジェクトを構成する「ハンガリー音楽の家(The House of Hungarian Music)」は、ブダペスト最大の見どころである英雄広場の近くに、取り壊されたかつてのオフィス街の跡地に建設されています。設計者の藤本壮介は、ユニークで刺激的、かつ有機的な建物を創り上げました。彼のデザインは、国際コンペに提出された168のプロジェクトの中から、ハンガリーおよび国際的な審査員によって選ばれたものです。
藤本壮介のヴィジョン
藤本は「ハンガリー音楽の家」の国際コンペに応募する際、自然環境と建築環境の境界をなくし、自然の音と音の自然の調和を図るプロジェクトを思い描きました。デザインの特徴である浮き屋根は、音の振動を視覚的に表現した「波」から着想を得ています。藤本は、開放性と透明性の精神に基づき、建物の側壁をガラス張りにし、光井で連結された屋根のパンチング構造から、木の葉のように光を建物内部に取り込むように設計しました。また、ブダペストのリスト音楽院の有名な分離派の建物や、国際的に有名なハンガリーの音楽と音楽教育の伝統からもインスピレーションを受けたといいます。
藤本壮介は自身のビジョンをこう語ります。
「世界初の公共公園のひとつで仕事をするというのは、信じられないほど刺激的なことです。リジェ・ブダペスト・プロジェクト、そしてその中の『ハンガリー音楽の家』は、まさに象徴的な開発プロジェクトであり、緑と建築物の調和を実現したことから、将来の都市開発者の手本になるかもしれません。」
ユニークな建築的解決策
藤本のヴィジョンを実現するための特徴のひとつが、建物の壁面をガラス張りにしたことで、優雅さ、透明感、個性を演出しています。「ハンガリー音楽の家」のユニークな外観は、特別な技術的ソリューションと結びついています。ファサードのガラス壁は94枚の特注の断熱パネルで構成され、建物の一部では高さが12m近くにもなっているのです。
もうひとつの象徴的なデザインは、有機的な屋根の構造です。藤本が音波の形から着想した特殊な浮き屋根です。厚みの異なるキャノピーが戯れるようにうねり、葉の高さよりも低い位置にあることで、建物が環境と調和していることを保証しています。
藤本壮介は語ります。
「『ハンガリー音楽の家』の壮大で明白な姿を支えているのは、ハンガリーで前例のないデザインとエンジニアリングのソリューションの数々です。屋根の構造には直角がなく、同じものは2つとありません。さらに、この開口部には革新的なソリューションが導入されています。光井はここから始まり、光を最下部まで導き、室内を明るく照らし、独特の雰囲気を作り出すのに役立っています。」