澤秀俊設計環境による、岐阜の住宅「飛騨古川 雪またじの屋根」。豪雪地帯のため雪かきを容易にとの要望から冬の暮らしを再考、敷地を覆う片流れ二重屋根によって積雪の道路への容易な排出を実現、同時に作られた半屋外空間が夏季の快適性も叶える photo©西嶋祐二
澤秀俊設計環境による、岐阜の住宅「飛騨古川 雪またじの屋根」。豪雪地帯のため雪かきを容易にとの要望から冬の暮らしを再考、敷地を覆う片流れ二重屋根によって積雪の道路への容易な排出を実現、同時に作られた半屋外空間が夏季の快適性も叶える photo©西嶋祐二
澤秀俊設計環境による、岐阜の住宅「飛騨古川 雪またじの屋根」。豪雪地帯のため雪かきを容易にとの要望から冬の暮らしを再考、敷地を覆う片流れ二重屋根によって積雪の道路への容易な排出を実現、同時に作られた半屋外空間が夏季の快適性も叶える photo©新建築社写真部
澤秀俊設計環境 が設計した、岐阜の住宅「飛騨古川 雪またじの屋根」です。豪雪地帯のため雪かきを容易にとの要望から冬の暮らしを再考、敷地を覆う片流れ二重屋根によって積雪の道路への容易な排出を実現、同時に作られた半屋外空間が夏季の快適性も叶えます。
日本有数の豪雪地帯である飛騨地方における冬の風物詩「雪またじ(雪かきの方言)」に着目し、冬の暮らし方について再考した。屋根上の積雪を前面道路にスムーズに排出できるよう、敷地いっぱいに積雪荷重1.0mに設定した片流れ屋根を架けた。
また、遮熱効果の高さ故に、東南アジア・アフリカなどの熱帯・蒸暑地域の建築に散見される二重屋根構造を採用することで、夏季は木陰のような快適性を、冬季は凍害防止による屋根の長寿命化を意図している。
積雪の多いこの街では、秋になると屋根にハシゴを固定し冬に備える家屋が散見される。この地域では無事な越冬のため、美しくも厳しい「雪との共生」は暮らしの重要なキーワードである。
屋根の雪またじが容易なことが建主からの要望の一つであったが、奥行きのある敷地において中庭を設けると雪を排出できず、春先まで雪溜まりとなってしまうため好ましくない。
遮熱効果の高さ故に、東南アジア・アフリカ等の熱帯・蒸暑気候における工場・学校建築等にしばしば用いられる二重屋根構造を採用することで、夏季は木陰のように快適で、冬季は屋根の凍害防止や防水ラインの複層化による長寿命化へとつながることを意図した。